鎌倉で暮らす、幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)。そんな彼女たちのもとに、15年前に姿を消した父親が亡くなったという知らせが届く。葬儀が執り行われる山形へと向かった三人は、そこで父とほかの女性の間に生まれた異母妹すず(広瀬すず)と対面する。身寄りがいなくなった今後の生活を前にしながらも、気丈かつ毅然と振る舞おうとするすず。その姿を見た幸は、彼女に鎌倉で自分たちと一緒に暮らさないかと持ち掛ける。こうして鎌倉での生活がスタートするが……。


吉田秋生好き。
原作漫画、持ってます。


 なんというか、「惜しい」という評価でしょうか。
映画としては、退屈せず、楽しめた。
 
 観る前の心配は、大物俳優さん揃いで、
こういう映画には、その無駄にある存在感が、台無しにするんだよな~・・

・・・だったが、
これが、思った以上に、大丈夫だった。


 特に堤真一は、いつものあの存在感は?と思うほど、
ひっそりとしているし、
大竹しのぶも、控えめな演技に、好感が持てた。

3姉妹もそれぞれ、個性を生かした役柄でありながら、
「こんな姉妹おらんで」という違和感もなく、
「それでも姉妹」というまとまりを見せることに成功していた。

そこに加わる、すずも、
徐々に変化していく姿もまた、初々しくて、良かったと思う。


 ある意味、原作に忠実だった。


ただ・・・・
ただ・・・・
是枝裕和の、作品なんだよね・・・。

いや、そうなんだから、それは、もう、仕方ないんですが。

 撮り方、音楽から、なんやらかんやら、
どこまでも、是枝作品で、

そんなところに、同じようなリリー・フランキーがいるもんだから、

「そして、父になる?」みたいなデジャブが・・・・(笑)

 
原作の小気味いい面白さや、ちょっと、ぶっきら棒なところとかの雰囲気が
出せていなくて、残念かな。

この監督は、台詞も少なかったり、説明もなく、
行間を読ませる事が多いので、
この内容では、詰め込みすぎのように感じる。
 
私は、原作を読んでいるので、
その情報でもって、行間を読めるが、
果たして、原作を知らない人は、どうだったのかなぁ~と思う。

 原作は、4人姉妹を取り囲む人間模様も素晴らしいが、
その素晴らしさも描けていない。
 是枝監督作品であるならば、欲張りはせず、
すずをメインに、もっと丁寧に描けばいいのに。


 大物俳優陣が、控えめでありながらも、
人間くさい演技をしてくれているのに、なんだか、勿体ないなぁ~と。


  勿体無いといえば、折角の映画なのに・・・。
花火のシーン。
映画の醍醐味。
是非とも、出し惜しみして欲しくなかった(笑)
船を上からのカット、いらんわー。


 惜しい!!と言ったワリには、
なんか、文句ばっかりだけど。

 ってか、文句ついでに言わせて貰えると←まだ言う。

すずの後半の、あの、甘えた喋り方は、
誰か注意すべきだったんじゃ・・・(笑)
 


 原作を読んで、この映画がすべてを台無しにしたぁぁぁぁぁ~と憤慨する作品でもない。
どちらかといえば、原作の雰囲気も醸し出していたし、
ぶち壊した・・という感じでもない。
 
 ただ、原作を知らない人でも、
この作品を面白いと感じることが出来ただろうか・・という疑問は残るし、
原作を読んでない人には、
「是非、原作読んで。原作のがいいから」と言ってしまうかも。


 しかし、是枝監督映画って、
若干、マンネリだよね・・・と思っちゃうのは、
失礼でしょうか。
 


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