私・・・
今一番のおススメドラマって言われたら、
コレを押すかも知れない。

 すべてがいい。
一点の隙間もない位、1秒のズレもない位、

完璧な感じなのだ。

 物語は、地味にすすみ、
映像的にも、暴力シーンや、死体をどないすんねん・・というシーンが
盛沢山なのに、

 シニカルに笑わせる、その瞬間。

やられた~・・・と思ってしまう。

 シーズン最後、目の前で、ひたすら人を殴っている場面を見て、
ジェシーとウォルターが、目を合わせる所であったり、
 
 教材を集めるが如く、ジェシーに「お前は出来る子だ」と鼓舞し、
麻薬精製に必要なものを集めさせる場面とか。

 とにかく、その笑いさえもが、上質なのだ。



 そして、主人公が麻薬の精製という悪行に手を染めていくのに、

どうして、こうも、気分がスカッとするのだろう。

 ウォルターが、突然に、悪のヒーローになるワケではない。
やっぱり、
冴えない男は健在で、家族に振り回されたり、
ジェシーに振り回される。

そんな彼が、ここぞ・・という所で、
必死な形相で、何かをやってのけるのだから、
もう、拍手喝采ものである。

 地味なウォルターに、気付けば、首ったけ状態。

 末期がんで、冴えないウォルターの眼光が、
不意に、鋭く光る。
 それは、悪への目覚めの瞬間なのか。

 彼が、悪へ目覚める度に、
私は、ウォルターの虜になっていく。
 

 それはそうと、彼をとりまく家族。
何かしら、それぞれ問題はあっても、ウォルターを大事に思っているんだな・・・と
思う。
 それは、やっぱり、ウォルターに隠された魅力があるからなんだろう。
視聴者には見えない、魅力。

昔の友人も、彼の治療を支えると言ってくれたりする。
 冴えない男だけでは、これほど、愛されないと思う。
  ウォルターの本来持つべき魅力なのかも知れない。

そういった、魅力が、ある意味違った方向に拡散していく。

冴えない男を描きながら、
その実、彼に秘められた魅力を、間接的に認めていることが、
彼の魅力の拡散を、後押ししているのかも知れない。

 
物語の世界は、さほど広がらない。
登場人物も、いまだ限定されている。
 その閉塞感のある世界観の中で、
ウォルターの、死を意識した熱い息遣いが、聞こえてくるようである。




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