片想い世界 / 日本
2025年製作 126分 UMEXTポイント
2025年62本目 ☆2.0
現代の東京の片隅で、古い一軒家で一緒に暮らす、美咲(広瀬すず)、優花(杉咲花)、さくら(清原果耶)。仕事に行ったり学校に行ったりバイトに行ったり。家族でも同級生でもないけれど、お互いを思い合いながら他愛のないおしゃべりをして過ごす、楽しく気ままな3人だけの日々。もう 12 年、強い絆で結ばれているそんな彼女たちの、誰にも言えない“片思い”とはーー。
主演がこの3人に、横浜流星ですよ。
ビジュアル最強。
おうちの中もオサレなインテリアで、
着ているものは全て可愛い。
彼女たちが食べれば、お茶漬けだって、
可愛くみえるのだ。
なんなんだ、この映画は何なんだ。
彼女たちは死んでしまっているけど、
仲良しこよしで12年。
幽霊である事を受け入れて、
それなりに学校行ったりなんだりして、
この生活を楽しんでいる。
なので、どこに寄り添うべき映画なのかが、
最後まで分からなかった。
死んでしまって悲しいよね・・・
という同情すら出来ない。
いや、むしろ、そんな同情さえ不要なのだ。
美人幽霊3人の可愛くてオサレな世界は、
これからも続いていく。
まるで、絵本の中の、
永遠に続く幸せのお話みたいだった。
童話だよね。
死生観とか、
そんなものを求める作品ではないクセに、
殺された経緯・出所した犯人と犠牲者・
母親との復讐劇と、
いやにリアルなところを突いてくる。
この感性が正直、理解できない。
3人が幽霊でいる理由。
成仏できない理由が、深堀されていないから、
その薄っぺらい復讐劇は、
決めつけのように頭に残る。
子供を殺された母親が、包丁で刺そうとする。
子供を亡くした母親の心情を、
こんなチープな展開で
描くべきではないと思うのだが。
横浜流星も、この事件のせいで音楽をやめて・・・
小学生だよね。
それから12年。
そんな彼に、「音楽を担当して欲しい」って、
普通、言うかな??
事件が起きた時に高校生とかなら、
才能も開花してて、もう一度音楽を!!!
ってなるかもだけど、
幼い小学生よ・・・・
それからずっと音楽してないのに、
それを頼みこむって構図が
なんかおかしいわ・・・
って思って観てた。
相変わらず、横浜流星は全身で演技するよね。
「小学生の時の事件で、
自責の念の囚われています・・・・
話しかけないで下さい」
そのまんま。
そんな看板を背負って演じてるみたいで、
ウケてしまった。
あのDJ・灯台の話もなんやったんや。
絶対、広瀬すずが「帰りたくない!!」
って念じてたんやと思うで。
だって、
2人が広瀬すずに帰りたくないんでしょ??
とかなんか
詰め寄った話も、なんの解決もせず、
灯台に走ってるもん。
3人が、元に戻りたいって気持ちを
共有してるようには思えなかったしね。
そして、清原さんの深堀りが全くないのも、
おかしいと思うし。
片想い世界っていうならさ、
清原さんにも何かあってこそじゃないの?
とはいえ、貧乏設定の広瀬すずにも
違和感ありまくりやけどね(笑)
脚本も脚本だけど、
今回に関しては、演技も演技だよね。
演出も演出だよね。
3人とも仲良しこよしの女優さんでしかないし、
横浜流星も看板背負った横浜流星だし、
衣装・インテリア・小物まで、
すべてが夢物語のようでした。
夢物語なら、
全編それで通せばいいのに・・・と、
私は思うのでした。
そういえば、途中、どっかの研究所に
入り込んだシーンあったじゃないですか。
清原さんと杉咲さんがさ・・・・
で、研究所の人と入ったのに、
一緒に出るタイミングを逃して、
出れなくなった!!って。
私、このシーンが実は1番のホラーだったんです。
例えば、この書類室は日ごろほとんど
出入りのないところで、
このまま、2人が閉じ込められたら・・・・
あの空間の中で、何年も何十も・・・
幽霊だから、死なないし。
扉をドンドンと叩いても、気づく人はいない。
まだ2人だからいいけど。
1人だったら・・・と考えると、
なんという孤独なんだろう
・・・・って、ぞわっと怖くなりました。
この時ばかりは、この2人どうなるんだろう??
って食いついたけど、
次のシーンでは、
普通に家に帰りついていた(笑)
なんやねん。
そして、あれだけの資料がある中で、
ピンポイントに関連の書類が見つかるか??
って、それも、都合良すぎやろ・・・・
って思った。
最後、横浜流星と広瀬すずのシーンが、
1番の見せ場だろうけど、長すぎた。
あれを読んで、長年のトラウマが
解消されるのが、凄い。
この3人の純粋さは、一体何なんだろう
12年幽霊してて、
車の中の子供を助けたい一心で、
聞こえもしないのに、道行く人に声をかける。
そんな事、もう、何億回トライして、
届かない事を分かっているはずなのに。
ああ、12年こどもの心のままなのか。
そっちの方が、設定的には腑に落ちる。
会社行ってるのも、学校行ってるのも、
茶番ということか。
それ、プラス、
美しい女優さん3人が、
わちゃわちゃとオサレな日々を過ごしている。
それなら、その路線を貫けばいいのに。
変に、殺人犯とか被害者の復讐とか、
実在の事件を連想させるとか、
そういうのを入れ込んで、なんか、
意味をもたせようとするのが、
あざとい。
そして、今の生活が1番楽しいのに、
別に、心残りなんかないのに。
さも、泣かせようとしているのも、
非常に、あざとい。
いや、童話のような3人の世界観でも、
現実世界や、心残りなど、
うまく組み合わせて作品を作る事は出来るし、
逆に、その世界観のギャップがピリッと
琴線に触れるような
作品に仕上げることが出来きたと思う。
つまりは、やっぱり、
すべてがイマイチだったと言う事だ。









