入院13〜15日目 腹水(20) 退院 | にの日記

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2002年2月30歳で乳がん発症。現在50歳。再発して9年、抗がん剤はやり尽くしました。現在、痛みのコントロール、腹水・胸水治療(CART)を受けています。
今までのほほんとしていたのですが、あまりのほほんとしていられなさそうなので、ブログタイトル変えました。

2022/08/31 退院。


退院までの3日間は、リハビリをしたり、29日(月)に腹水3000ccを抜いたり、弾性ストッキングを2足買ったりして過ごす。


足の筋肉がなくフラフラと安定しないから、歩く時がに股になってしまう。

どこに力を入れたら真っ直ぐ立てるか、理学療法士さんに聞いて練習。

立つって、特にお腹に力を入れないとだめなのね。

真っ直ぐ歩くとなるとなおのこと。

知らなかった。

だいぶ歩けるようになったけど、病室とリハビリ室の行き帰りだけで呼吸が苦しくなる。

とはいえ、血圧と酸素濃度は基準値を下回らない。

代わりに脈が120くらい。

常に心臓がドキドキしているような状態。



いつものことなんだけど、退院する日の朝は調子が悪くて、荷物の片づけが一向に進まない。

看護師さんに手伝ってもらってスーツケースに持ってきた物をわさわさ入れて、終了。


たぶん前日張り切ってあれこれやるからいけないんだと思う。


退院前日の30日は、午前午後リハビリ、がん専門看護師さん・ソーシャルワーカーさん・薬剤師さんふたり・先生と面談…と、常にしゃべったり動いたりしていた。

疲れていたのか、夕方シャワー中に吐いてしまう。

気分が悪くて夕飯は18時に食べられず、20時まで片づけを待ってもらうが、3口でギブアップ。

お腹が空いたまま朝を迎え、また朝ごはんを体が受け付けず、ふらふら貧血。


何やってるんだか、もう。

ちょっと調子がいいと、すぐにこういうことになる。


退院直前に吐き気止めの注射をしてもらい、夫と合流。

介護保険で借りてくれた車いすは病院のそれよりしっかりした造りで、乗り心地がよい。

車輪が付いたものが昔から好きだけど、これからの相棒はこの車いすなのね。

よろしく、頼りにしてます。

夫と会えてホッとしたのか、会計だけ済ませて退院受付に寄らずに帰ってきてしまう。

今朝電話がかかってきて、書類を送ってくれるとのこと。

ありがとうございます、ごめんね♡


お昼は体が落ち着くのを待って、気になっていた肉まん屋さんへ。

点心が好きだけど、中華料理店に入って注文する自信がない。

とりあえず、肉まんが食べられるかどうかチェック。

結果、だめだった。
皮が甘くて厚いから、口の中でもそもそしてしまって、肉に到達するまでに舌が拒否し始める。
もっとぺたんこのじゃなきゃだめだ。
半分でギブアップ。

これだけでは夫は足りないから、回転寿司に寄る。

回転寿司のボックス席なら、食べても食べなくても目立たないから気が楽。

コーラ片手にガリを食べながら(どちらも舌がビリビリして飲み込みやすい)、夫の注文するお寿司を一口かじらせてもらったり、枝豆を食べてみたり。

甲イカはいけるかも!と思ってパクっと食べたら、酢飯を飲み込むのがきつい。

最近わたしは、お米やパンが食べられない。


病気で食べられない人に「頑張って食べなきゃだめだよ」「あと一口、もう一口」と言うのは、酷な話。

そんなことは、本人が一番わかってる。

食べたら気持ち悪くなる、その後のダメージが大きい、なんなら水もまずいのに、薬だって飲みたくないのに。

お腹は空いてるけど、口から喉までが受け入れを拒否する感覚。

眼の前にごはんがあるのに、食べられない絶望感。

こちとら、毎回大食い大会に出場してる気分だよ。

食べられる人にはわからないだろうな。


わたしだって曽根さんみたいにお皿を持ち上げて「完食です!」って言いたいよ。

言いたい。

いつかまた、言えるようになりたい。