にの日記

にの日記

2002年2月30歳で乳がん発症。現在50歳。再発して9年、抗がん剤はやり尽くしました。現在、痛みのコントロール、腹水・胸水治療(CART)を受けています。
今までのほほんとしていたのですが、あまりのほほんとしていられなさそうなので、ブログタイトル変えました。

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妻は、9月25日に亡くなりました。
20年と7ヶ月良く頑張りました。
妻は、最後まで生きようとしてました。
あの世では、楽になっている事を願います。
2022/09/20は穿刺の日。

先週金曜日に穿刺して中3日、お腹はパンパン、左足はむっくむく。
右足はそれほどでもないけど、左足は脚の付け根からむくむく、パンパン、タプタプしてきた。

肋骨の間、おヘソの上の出っ張りは肝臓の端っこで、腫瘍が大きくなってきたものだとのこと。
たまたまそこにホクロがあって、押し上げたから触れて来たのだという。
治療法は特になし。

皮膚を突き破って出てきますかねえ、と聞いたら、

👨‍⚕「皮膚に転移はしてないからそれはなさそう」と若先生。

これからは、日々大きくなっていく腫瘍を触れながら生きていくのか。
仕方ないか。

穿刺は学生研修医の方が見学。

髪をひとつに束ねた、まだ『女の子』といったかわいい雰囲気。

穿刺は若先生ですよね?と確認したら、

👨‍⚕「学生にやらせたら、僕が犯罪者になっちゃいますよ(笑)」

そうか、医者じゃなければダメなのか。

だから看護師さんたちは、処置が終わっても針抜かないのね。

それならば、見学はどなたがしてもいいんですよ。


麻酔の針先を3回感じたので、いつもより痛いかも。

と思ったら、穿刺自体はスムーズに。

刺したところがよかったらしく、最初30分は「ザーッ」という音がする程の勢いで出る。

後半はいつもの「ポタ、ツー、ポタ」になって、1時間半で2300cc。

血圧変わらず「にのさんすごい」と看護師さんに褒められる。


16時、訪問看護師長と面談。

穿刺が終わってすぐだったので、わたしはベッドに寝たまま、夫も呼ばれて説明を聞く。

わたしの住んでいる町には担当看護師がひとりしかいないので、これ以上患者を増やせないとのこと。

病院のある町から行くから安心して下さい、と言うけれど、それでも9人で24時間365日を回しているという。

ひ~ガーン何と過酷なローテーション!


どういうケアを望んでいますか?と聞かれ、

腹水穿刺を家でしたいと思っていましたが、それは無理だと先生から聞いています。

まだ自分でトイレやお風呂は入れるので、今のところは特にありません、と言う。

夫は、

🐐「いつでも訪問看護を受けられるように一度家に来てもらったらいいのに」

と言うけど、それは必要になってからでも遅くないと思う。

👩‍⚕「呼びたくなったら若先生にまず相談して下さい。指示を出してもらえればすぐに行きますから」

ということで、面談は10分で終了。

訪問看護はまだ受けないけど、繋がれたことでひと安心。

頼れるところがまたひとつ増えた。


病院帰りにお買い物。

知り合いの多くいる町で、車椅子に乗るのをためらっていたけれど、今のわたしは10mくらいしか歩けない。

思い切って外に出てみる。


いつも行っていた百均とスーパーマーケットなのに、楽しい。

たくさん並んでいる商品の中から欲しい物を探すって、こんなに楽しかったっけ?

最近はネットスーパーか夫に頼んで買ってきてもらっていたから、欲しい物以外が目に入るのが新鮮。

車椅子で進むと、車や歩行者がサッと避けてくれて、なんたかみんな優しい。

たっぷり買い込んで、車に戻る。


当たり前だと思っていたことができなくなっていて、悔しい、悲しい。

だけど、方法を替えればまだできることもあって、楽しい。

今度はショッピングモールに行きたいな。


なんとか、この時間を引き延ばしていきたい。

今日2022/09/16は、腹水穿刺の日。

14時若先生登場。

後ろにブルー衣の先生がふたり。

イヤな予感。

👨‍⚕「今日はわたしもいますけど、こちらの先生に穿刺してもらいますね」

あ、やっぱり…


この前、水があまり溜まってない日に、腹膜手前まで刺した先生やん。

でも、緊張させたらいかん。

よろしくお願いしまーす、と明るく挨拶。

もうひとりは研修で見学の模様。


エコーで場所を決めるのに時間がかかり、若先生から指導を受けながら決定、さて麻酔…

の段で腹膜手前先生のピッチが鳴る。

病棟から呼ばれたらしく、すみませんね、と言って立ち去る。

ほーっ。


で、結局若先生が👨‍⚕「すみませんね、代わり映えしなくて。僕が穿刺しますね。」

いえいえ、代わり映えしなくていいんですよ。

ということで、いつも通りの無痛穿刺。

これこれ、いつ腹膜まで刺したかわからない麻酔の効き方。

若先生が一番です。


14時20分から15時30分で、2300cc抜ける。

お腹に針刺してるのに、気持ち良くてうとうとしてました、と言うと、

👨‍⚕「医者冥利に尽きますね。」と若先生。

足りない薬や飲み方など相談して、今日の穿刺は終了。


その後、左右肋骨の間(みぞおちの上)にできた小さなシコリを、放射線科のエコーで診てもらう。

だいぶ前からあるのだけど、前の病院も、前の前の病院もあまり重要視していなかったシコリ。

先週、若先生に言ってみたら外科の先生を連れてきてくれて、それでもわからず、専門のエコー技師さんに診てもらおう、ということに。

エコーの機械2台を使って、20分も診てくれる。

結果は来週の穿刺時。

その時、訪問看護師さんとの面談も予定している。

わたしのことを助けてくれる人がたくさんいる。

ありがたい。


夜、北海道に遊びに来た子と、気の合う友人たちと、4人で小さな歓迎会。

不安でいっぱいだった乳がん治療を終え、今日昼間は登山するほど元気になっていた。

うれしい。

3人に会ったら泣くかもと思い、ボックスティッシュを持参したけど、全く泣かなかった(笑)

4人中3人が乳がん経験者(ひとりは男子)で、治療の話や後遺症の話で盛り上がる。

わたしがうまく歩けない上に痩せてて驚いたかもしれないけど、みんなそのことはおくびにも出さず、階段で手をかしてくれたり支えてくれたりする。

やっぱり会いたかった。

会ってよかった。

バカ話をして、近況を話して、3人からパワーをもらった。

もうわたしはがまんしないし、頑張らないけど、生きる努力はする。

人生を、楽しむ。