たんたん短歌200「呟く」

 

 

 2024年7月14日(日)放送分の「NHK短歌」におけるお題(テーマ)は「旅」だった。ブログ主も今から十年以上前に、このお題を含む歌を制作していた。それでは歌集「君はパパの子」33ページに掲載した作品を今回は紹介しよう。

 

 

クローバー

 

 

旅立ちに娘の頼む料理の名の滲んで読めず(一緒)と呟く

 

 

娘が旅立つ日を迎えて、私は彼女とレストランで食事をすることになった。

娘はメニューを見て、なにやら難しそうな名前の料理を頼んでいる。

 

私は特に食べたいものもなかったが、娘からメニューを渡されて、食べたことのない料理たちの名前を眺めている。

結局、私は娘の頼んだものと同じ料理を注文することにした。

 

ところが、その料理の名前がなぜか滲(にじ)んで読めなかった。

それで、私は、娘と「同じ」ものを、と言おうとしたのだが、なぜか、彼女と

 

(一緒)

 

と誰にも聞こえないような、小さな声で呟(つぶや)いていたのだ。

 

 

(2013.9.5)

 

 

クローバー

 

 

もえたたん「皆さん、こんにちは」

ゆうたたん「こんにちは。今回紹介する歌は何ですか?」

 

も「 John O'Banion 「I Don't Want This Night To End」(1983)」

ゆ「それでは次回もたんたんと」

 

クローバー