この作品は、2018年那波マオの原作「3D彼女」を映画化したもの。
私は漫画を読みません。
原作との比較なく、
映画化されたものを純粋に楽しむタイプです。
●ストーリー
主人公の筒井光(佐野勇斗) ツッツンは、
2次元を愛するアニメオタクで
同じくアニメオタクの伊東(ゆうたろう)と
共にひっそりと高校生活を送っていた。
そんなある日、
職員室に呼ばれたクラスメートの代わりに
職員室に行くことになり、
そこで学校一美しい五十嵐色葉(中条あやみ)と出会う。
二人は先生の命令でプール掃除をすることになるが、そこでツッツンは色葉から
「付き合わない?」と冗談を言われる。
心みだされたツッツンは、
色葉に大声で口答えをしてしまうが
「3次元女子の社会的制裁を甘く見てはいけない」という伊東の助言により謝ることになる。
色葉に謝ることを決意したツッツンは、
謝るタイミングを見計らっていたところ、
尾行先の本屋さんで、
色葉が万引き犯だと濡れ衣をきせられる場面に遭遇する。
一部始終をみていたツッツンは、
彼女が万引き犯ではないと彼女を助ける。
この出来事がきっかけで色葉から
「半年付き合って」と告白され、
ツッツンはプールでの出来事を
許してもらうために付き合うことを承諾し、
二人は付き合うことになる。
●感想
・色葉から「付き合う期間を限定されていたこと」を受け、
あとから暗い話が出てくるのだろうな・・・とは感じていましたが、全体的に誰の手垢もついていないオタクの世界観が面白くて何度も笑いました。
・色葉がツッツンの家に遊びに行った際、
ツッツンの部屋に行きたいという色葉の言葉に
オタクの部屋を見せたら
「息子はフラれる・・」と判断し
機転を利かせた母の
「今は息子の部屋はないの、昨日まではあったんだけど」ととっさに言ったウソが面白かった。
父:竹内力、母:濱田マリ、
そして頭が良さそうな弟のリビングの様子で
ツッツンの家族の中の立ち位置がわかり面白かったし、あたたかな家族だと感じた。
・色葉が言った「付き合うこととは・・」のミッションに一生懸命取り組み、
ミッション達成のためなら殴られても痛みを感じなかったり、色葉が貧血で倒れた時に病院中に聞こえるほどの声で主治医の名前を呼び、
周りの反応を気にせず目的に向かう一直線さが素敵だった。
大きな手術をする前の最後の男として
ツッツンは適任だったのかもしれない。
ツッツンは、リアルな世界に慣れてなくて不器用ではあるけど、
「分け隔てなく誰にでも接する」
人柄の良さは、人を惹きつける力があり、
むしろコミュニケーション能力の高い人なのではないかと思った。
・2次元の弱点は「心配でも、説教したくても、会いたくても、会いに行けないこと」
リアルには「リセット」はないけど、「リスタート」はある。この言葉に勇気をもらった。
★★★☆ 3.5