「和のものが多いよね?」
「日本的な?」
「そうかもね」
「何で?」
「そうねえ、落ち着くからかな」
最初は瓶ビールで乾杯し
焼酎に移っていた。
芋焼酎。
その器を眺めながら。
「いいね、このぐい呑み」
「そう?」
「イイ色してるじゃん」
深緑の釉薬がアクセントになっている。
「美濃焼ね」
「へー」
「しかし色々物知りだねえ」
「たまたまね。この織部焼の緑がいいと思ってさ」
「確かにいいねえ」
「食器とか気にしたことないなあ」
「へえ」