「歌詞とか書くって大変じゃない?」

「そうか?」

「どやって書くのよ?」

「そうなあ〜」

 

缶ビールに口をつける。

本当はグラスやジョッキに注いで飲みたい口だ。

 

缶ってあまり好きではない。

味気ない。

 

コーラもそうだ。

瓶が美味しいと思っている派だ。

 

「こんなことってあるじゃん

とか」

「とか?」

「こんなふうにも思えるんじゃないか

とか」

「とか」

「こんな考え方もありじゃないか

とか」

「はあ」

「別に特別なことじゃなくてさ、

オレはオレが感じたり

オレなりに考えたことを

徒然なるままにしたためてさ」

「ふん」

「ああそうそう!

とか

確かにそうだよね〜

とか

言えてる〜

みたいに感じてくれる人がいたら

でしょ?

みたいにニヤッとするみたいな」

「へえ〜」

「そんな小さな自己満足だぜ」

「そうなんだ」

「ご機嫌なリズムに乗せてね」

「ビートにね」

「遊び心でね」

「エモーションでね」