「プパ~っ。美味い!」
「そうか」

暑い日のコーラの喉越し。

「この炭酸が効いた砂糖水。
これに人は120円払う。
お祭りや、店に入ったら
500円払うわけですよね。」
「あ、まあ、そうだな」

こいつ一体何を話すんだと
顔を見る。

「たかだか砂糖水にお金を払う。
それはその価値をみとめてるわけです。
爽快感、スッキリ感。
気持ちよさ、気分転換。。。」
「で?」
「人は幸せになるためや
夢のためにはそのもの以上の
対価を払うことがある。
そういうことです。」

何だか理屈っぽい男だなと思う。

「価値を分かる人に
持つべき人に
それを紹介する。
それが俺の仕事なんです」

残りを一気に流し込む。

「ああ美味しかった。
やっぱり東京の夏にはコーラですね。
ご馳走様でした!」

何処か訛っているこのオトコの話をもうちょっと聞きたくなった。