ヘタレナイア
【見えた!!】
同僚がイタリア旅行に行っておりまして。
夕飯を食べながら、ダラダラと土産話を聞いておりました。
同僚は職場での貴重なヲタク仲間の1人でして。
這い「携帯の待ち受けがヘタリアなのバラすぞゴルァ!(注1)」
同僚「1F単位で連携組む格ゲヲタなのバラすぞゴルァ!(注2)」
と牽制し合う仲だったりします。
(注1 : 待ち受けどころかドット絵で絵文字まで作ってました)
(注2 : 1F=1/60秒、技と技を繋ぐ猶予は2Fあれば楽な方)
デジカメの写真を交えながらの旅話だったんですが。
這い「あ、いまサラッと飛ばした写真、ちゃんと見せて」
同僚「え、今のは別に面白くも無い場面だから…」
這い「ガチムチの石像と並んで同じポーズで写ってたでしょ?」
同僚「…なぜ見えたし」
這い「私の戦闘力は20Fまで反応します」
また一つ、詰まらぬ黒歴史を見つけてしまった…。
【イタリア人気質】
同僚「青の洞窟を見ようと船に乗ったんだけどねー」
同僚「甲板で海の写真撮ってたら……船員にナンパされた」
這い「……実は自慢だろ、と王道な反応を返しておくべきだろうか?」
同僚「やっぱそうなるよねぇ……まぁ最後まで聞いておくれ」
波を切って船は進む。空気は流れる様に後ろへと去っていく。
そんな風を纏い甲板に立つ私は、さながら女神のよう。
青く輝く海ですら、私から船乗りの視線を奪うことはできない。
ああ、美しいってつm…
同僚「変なナレーションを付けるな」
這い「…盛り上がるかと思ってつい」
同僚「船員さんが立入禁止の2階デッキに入れてくれたんよ」
這い「そこまでならおのぼりさん相手のサービスかな?」
同僚「波で揺れるし、風は強いしで足場が不安定だったんだけど」
同僚「横にいる男を警戒していたと思ったら」
同僚「いつの間にか腰に手を回されていた」
同僚「な、何を言っているか判らなと思うが」
同僚「私も何をされているのか判らなかった」
同僚「頭がどうにかなりそうだった」
同僚「スケコマシだとか変態紳士だとかそういうんじゃねぇ」
同僚「もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ」
ヲタ二人が会話すると本当にこんな台詞が飛び出るから困る。
這い「イタリア人ってパスタ好きの泣き虫だと思ってた」
同僚「酷い偏見だなそれ」
這い「原因は君に借りたヘタリアのせいだと思うけど……」
同僚「まぁパニクったのと、お互い片言英語だったのとで」
同僚「仕方ないからそのまま撮影を続けることを選んだわけだ」
這い「歪みねぇ、胆力パネェっすね、姉さん」
風を切って進む船の舳先。
海に向かって手を伸ばす女と。
それを後ろでしっかり支える男と。
這い「タイタニックの名シーンでローズがカメラ連写してる感じ?」
同僚「言われてみたらそんな感じかも」
這い「そのシュールな姿を写真に収めるべきだった」
実際、足元は歩くのも困難なほど揺れていた様なので。
支えが無ければ撮影は不可能だったそうですが。
同僚「振り解かず放置してたのが拙かったみたいで」
這い「あれか、OKの態度と取られたわけか」
同僚「多分。で、『今晩俺のスパゲッティーニ食べない?』的な……」
這い「……せめてフェットチーネにしてあげて」
同僚「流石にヤバイと思って、全力で拒否ったらですね」
同僚「向こうも我に返ったのか、カタコトの日本語で」
同僚「『サーセン、サーセン』って言ってた」
這い「誰だよ、そんな日本語教えた奴は……」
同僚「で、慌てて1回に降りたら、下にいた別の船員が」
同僚「また片言日本語で『どしたの?ゆっくりしていってね』と」
這い「だから誰だよ……と思ったけど用法としては普通かこれは」
同僚「片言がゆっくり声に似すぎて、笑い堪えるのが大変だった」
などと欠片も危機感の無い同僚の話を聞いておりました。
無事で何よりです。
むしろ本当に危惧すべきは…。
この一連の話を「こんなことを聞いてねー」と伝えたところ。
「マジで?ちょっとイタリア行って来る」
と2秒で答えた結婚準備期間中の姉の方かも知れません。