主演の篠原涼子さんをはじめ、たくさんの大好きな女優さん達が出演する映画 『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(8/31 公開)を試写しました。
懐かしいヒット曲とともに、
10代に過ごした日々が蘇った。
短くした制服のスカート、ルーズソックス、ラルフローレンのカーディガン、細く整えた眉毛、明るい色のリップ、他愛のない会話、絶えることのない笑い……。
おしゃれになりたくて、最初はどうしたらいいのかわからなくて、周りのお姉さんたちの真似をして。
でも大人から「女子高生」と一括りにされるのはいやで、その中でも自分らしさや個性、ポリシーやルールを何より大切にしていた。
あの頃、似たような格好に身を包み、世間からはみんな一緒のように思われていたかもしれないけれど、それぞれに主張があって、悩みも、叶えたいことも、もちろんそれぞれに違っていた。
毎日葛藤しながらも、それを吹き飛ばしてくれる仲間たちと泣いたり笑ったりして乗り越えて、少しずつ、大人になろうとしていた。
甘酸っぱい記憶の初恋、
幼すぎたせいで強がって空回りした思い、
かっこつけるために影ではものすごくかっこ悪かった自分、振り返るとすべてが眩しく感じられる。
いつだってものすごく純粋で、一生懸命だったから。
大人になった私たちは、あの頃望んでいた自分になれたんだろうか。
映画の中で、高校時代はあんなにも明るく、向かうところ敵なしだった『SUNNY』のメンバーのみんなが、大人になっていろんな重いものを抱えながら生きている現実に、そんなことを思わずにいられなかった。
家族もいて、大きなトラブルはないものの、どこか諦めたような寂しい表情を見せる主人公の奈美、仕事で大きな成功を掴んだけれど、余命1ヶ月と宣告された芹香、他のメンバーにも、一言で幸せと括れない影の部分がある。
制服を脱いだ後は、そんなに毎日笑って過ごしてはいられない。本当はあの頃もそれを知っていたのかもしれない。
だからあんなにもはしゃいで、写真を残して、傷ついてもうまくいかなくても、ほとんど必死に、楽しもうとしていたんだろう。
その分、大人になった四人が芹香の病室に集まってお菓子を広げ、お互いの近況報告に手を叩いて大笑いする場面は爽快な気分にさせてくれる。
他にも、みんなが身を寄せ合って心から笑顔を見せると、爽快な気持ちになって思わず顔が綻んだ。
(大人の「SUNNY」メンバーのやりとりには何度も笑いました!)
「笑おう。あの頃みたいに」
映画の終盤、この一言がまっすぐに心に届いてくる。
大切なのは、その気持ちなんだ、と。
大人になっても、願った通りの今日がやってこなくても、この強い思いがあれば、きっともっと何もかも楽しんでしまえる自分でいられる。
あの太陽のように眩しく、愛おしい日々のように。
面白くてせつなくて、もっともっと今日を笑顔で過ごそうと思える、あたたかい作品です。