『心に火を灯す』乳がんサバイバー

占い師萌花です

(今日は占いと関係なく介護の備忘録)


認知症の母が暮らす施設へ、

久しぶりに面会に行ってきました。


「◯◯だよ〜」

私はいつも、真っ先に自分の名前を

名乗ります。

そう——「どなたですか?」と

言われるのが怖かったからです。


でも今日は、思い切って聞いてみました。

「誰かわかる?」


母は少し首をかしげて言いました。

「え〜?どなた?知らない。

こんな綺麗な人、知らないわ」


困ったように職員さんのほうを見て

助けを求める母。


私はすかさず、三姉妹の名前を

順に挙げてみました。

「A子、B子、C子、誰でしょう?」


それでも「うーん、知らないの」

と首を振ります。


孫の名前を出しても、

「わからない、知らない」の繰り返し。

胸の奥が少しずつ冷えていくようでした。


気を取り直して、お土産のチョコレート

一緒に開けました。


でも、母はもう食べ方がわからなく

なっていました。

それでも少し口に運んでくれたので、

ほっとしました。



話しかけても会話はかみ合わず、

母の言葉は夢の中のよう。


「友達が電話をくれてね、

元気にしてる?ってお喋りしたの」

(その友達はもう亡くなっているのに)


「この前、親戚みんなでお墓参りして

温泉に泊まったの」

(それはもう何十年も前のこと)


私はただ、うなずくしかありませんでした。


少し前まで、「職員さんと仲良しなの。

めずらしいお菓子を買ってきて!」


「通帳も持ってきて!」と

元気に指示していた母。


あの頃がもう懐かしい…。


突然、母は深々と頭を下げました。

「こんなにお土産たくさんいただいて

悪いわ。なんのお返しもできないのに…」


その姿に、胸がじんと熱くなりました。


そして最後に、こんな言葉をくれました。

「その赤いニット、とっても似合ってる。スカートの柄も素敵ね」


昔はけなしてばかりだったのに——。

もっと早く、そんな言葉を聞きたかったな。


帰り際、職員さんから現状を聞きました。


自分の部屋がわからなくなってきている

こと。

紙の種類の区別がつかなくなり、

チラシをトイレに流してしまうこと。


ほんの少しの間に、認知症がぐっと

進んでしまったようです。


でも職員さんはこう言ってくれました。

「昔の話はよくされていますよ。

過去の記憶の中で、穏やかに過ごされて

います」


その言葉に、少し救われた気がしました。

母はいま、女学校時代に生きている

ようです。


——叶わないとわかっていても、

もう一度だけ

「◯◯ちゃん」

あの頃のように

呼ばれたいです…😭




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