医学部の受験において理科の選択で生物選択の現状などについて書いてみたいと思います。
まず、医学部受験は物理+化学の組み合わせが圧倒的に多いです。医学部で学ぶ内容こそ生物と繋がりが深いですが受験段階では生物を選択しないパターンが多いのが現状。
また、「物理は理系的な科目でレベルが高いが生物は理科だが文系的な科目で選択者のレベルが低い」という誤った考えが伝わっていること。
前者について、理系の受験ではそもそも物理+化学の受験がメジャーです。理系で生物の選択者は少なくなります。また国公立大学の医学部の一部では事実上物理+化学の組み合わせのみでしか受験出来ない大学がありますので注意が必要です。(これに関しては別記事で!)
国公立や私大の理工系学部などでも生物選択が不可能な場合がありますので受験を予定されている大学の募集要項をご覧ください。
生物選択によって理系の受験に制約がかかることは結構重大な問題です。物理+化学の組み合わせは原則、万能ですが生物選択はそうではないので生物選択を躊躇してしまうことがあります。
医学部の事情としては物理を入学前に学習することで物理的な考えが医学の学習に役立つ側面があることが主な理由だそうです。
後者に関して、受験の界隈では時々言われているお話です。「物理選択者のレベルが高く、生物選択者のレベルは低い」…このような考えになる理由には
—物理は数学に近く、公式の運用や計算など「高度」な処理を要求するのに対して生物は暗記主体で計算は少なく社会の科目に近い—
ことがよく挙げられます。生物は暗記がほぼ全て!物理は思考中心!という価値観が受験ではまかり通っています。
しかし、東大の生物の問題を見れば考えが変わるかもしれません。東大の生物は知識だけで解ける問題は少なく、実験などの考察や論述の問題が多いです。しかもハイレベル。丸暗記だけでは通用せず生物という学問自体の理解が要求されます。生物という科目の全体像を掴んだ上、生物における現象を化学や物理など他の科学分野の考えも入れながら考えていくという過程が重要視されます。
また、生物は出来るようになれば点数は安定しますので東大受験生で生物選択者のレベルはかなり高いです。決して生物選択者の点数が低いわけではありません。
医学部受験において理想は物理、化学、生物を全てやっておくことかもしれません。しかし、時間的な問題で物理と生物は選択になりますので受験大学の科目も調べながら自分にとって得意な方を選択すると良いと思います。