職場のトップに話があるからと、近くの飲み屋に呼ばれた道すがら、一緒に呼ばれた上司と、「今日僕持ち合わせが心細いんですよぉ」「おまえがそんなこと心配するなよ!」とかやり取りしてた矢先に、路上に1万円札が落ちていた。
「うほっ、神様の助け!」と飛びついたら、少し先にもう1枚。そして…。
暗い夜道の中、辺りを見渡して、車道の脇にも身を乗り出して、最終的には5枚。最後の1枚は銀行の封筒に入っていた。封筒は車に踏まれたのか、タイヤ痕が付いていた。
5万円ともなると…という訳でもないが、落とした人は困っているだろうと、翌日警察署に届け出た。
現金のみ。3ヶ月持ち主が現れなければ自分のモノになるとのこと。でも金額的に大きいから、持ち主も届け出るだろう。すぐ見つかっちゃうんだろうなと、ワクワクドキドキ。
受け付けたお巡りさんが、友達や家族でもけしかけて、「落とした」と名乗り出て、せしめていくかもしれない不安も頭をよぎったが、そんなこともなく3ヶ月が経過した。長かった。
書類を持って、警察署に行く。
現金を手にするまでは使い道を考えないように。と心に誓いながらも、物欲はこの3ヶ月間沸々と頭を駆け巡る。ひょっとして持ち主が見つかっていて、その連絡が来てないだけかもしれない。
しかし、5枚とも無事にというか、残っていた。
警察署の窓口で、5万円の現金がカルトンに置かれて差し出された。
一瞬ためらう。いや、でもこれは、権利として得た自分のモノなのだ。
何て言おう「ありがとうございました」は変だよな。警察が出したものじゃないし、何かの対価として得たお金でもない。
でも、「ありがとうございました。」と言いながら受け取った。
何となく、財布にしまえずに、かといって銀行にも預けられずに、数日ポケットの中に入れたままだった。ここで落としたら単なる笑い話で済むのに。パーッと使ってしまいたかった。
候補
・リタイヤ寸前の車のタイヤを買い換える (これは必要経費だから、ここから出したくない)
・1眼カメラのレンズ (恩恵が受けられる程が不透明)
・先月衝動買いしたブルーレイレコーダーの補填(もう買っちゃったんだし)
・パソコンの買い換え (家族も使うし、これかな)
家族で飲み食いすれば、贅沢しても数回分あったし、「うまいモノ喰いに行こう」とか宣言したような気もしたが、結局自宅のPCを新調することにした。
自作PCなので、外側は10年以上、マザーボードも6年ぶりとなる。
5万円じゃ足りないな…と思いながら、出先で仕事が早く終わった帰り道、お店に突撃した。



