西武ドームに入る。といっても東京ドームみたいな「室内」ではない。「屋外」だ球場を取り囲むコンクリートの坂を急ぎ足で上って行く。まだライブは始まっていないようだ。外から球場の中が見える。席はまだ空いているようだ。適当な場所から球場内に侵入する。客席の間の通路を歩いて良い席を探す。右手にステージが見える。なるべくステージの正面がいい。死角席のリベンジだ。ステージの真正面の席に座るがバックネットの紐が少々邪魔な気がしたので数メートル右の席に座る。この辺りはお客さんもまばらで空席も多い。しかしグラウンドの中や前の席はいっぱいに埋まっている。まだ始まらなさそうなので急いでトイレに行く事にした。いつ始まるかわからないので駆け足だ。トイレと表示されているところに入って行く。前を行く男性に着いて行ったら関係者のようで奥の薄暗い別の場所へ危うく行きかけた。慌てて戻り男性トイレに入り小を済ませる。席に戻りミニライブの開始を待つ。………ライブが終わり握手会の開始を本を読んだりツイッターをしながら待つ。本は『基低材を猛り狂わせる』。なかなか難しい。なかなか理解出来ず繰り返し読む。まだ全然冒頭部分である。「基底材」とは「デッサン」に対立する「描線図」のようなものなのか?質料的なもの物質的なものらしい。「言語の物質性について」という文章を思い出す。言語の物質性の物質性も「基底材」みたいなものなのだろうか?言語の物質性、デッサンの基底材性、そのようなものがあるのだろうか。西武ドームは寒くなってきた。一時間ばかりが過ぎる。オーロラビジョンに表示される「何番までの人は並んでください」みたいな文字。場内にアナウンスされる「整理券」という言葉。恐るべきことに私はそのようなものはなにひとつ持ち合わせが無いのである。昔の私ならスゴスゴひきあげるのであろうか。しかし今の私はそうではない。会場の女性スタッフに説明し一旦西武ドームの外に出て始めの入場口の所まで行き整理券を一枚貰った。いやはや危ないところであった。しかし何故こうなったか謎である。ありえないトラブルを引き起こす男、要注意人物、それが私なのだ。無事にきたりえゆいはんと握手を済ませた私は雨の中西武ドームを後にした。ゆいはんきたりえとの握手は一瞬だった。用意してきた質問もする暇はなかった。「握手会来るの初めてです」「ありがとうございます」満面笑顔のゆいはん。きたりえはずっと手を振ってくれた。