それに対して他の「被験体」は子供のまま老化しているという感じだ。これは「流れ」や「時間」の「せき止め」が不完全であった事を表しているのではないか。アキラ達は兵器として「開発」されたのであったか。これも原子力や原爆を連想させる。地中深く封じ込められたアキラは放射性物質のようだ。アキラの頭の中を覗き込んだ鉄男はアキラの力に「感染」して「覚醒」する。自分の「力」をコントロールできない鉄男の体は胎児化しドロドロに溶け出す。身体が原初化して世界を呑み込み始めるのである。宇宙の始まりと生命の始まり。その聖なるカオスの力が「秩序」を呑み込み破壊する。AKIRAのラストシーン。バイクに乗って走る金田達の周りに巨大なビル群が「再生」する。大いなる秩序が再び回帰する。秩序の圧倒的な構築が「力」を溜め込むことになるのか。そして「解放」と「溜め込み」を繰り返し、螺旋階段を上るように人類はどこかに向かっているのだろうか。