毎年の恒例行事のようになっている。去年ははずれたけど一昨年は明治大学でのメビウスと浦沢直樹の対談と重なりメビウスを観た。なかなか興味深い話だった。観客の中には荒木飛呂彦も永井豪もいた。下書き無しでいきなり描く線はいい線が描けるという話など。確かにメビウスの絵はおもしろい。影響を受けている大友克洋さんの絵もおもしろい。浦沢さんは大友さんの絵を知る前からメビウスの絵を知っていたようだった。メビウスの絵のおもしろさってなんだろう。マジックリアリズム的な。マジックリアリズムをよく知らないけど。写実的なんだけど凄く不思議な感じ。写実的なんだけどテンションが高くて不思議な印象を受ける。写真みたい、本物そっくり、という感じでもない。ひどく異様にくっきりしていて異様にテンションが高く、奇妙な印象を受ける。シュルレアリスム的SF的な要素も強い。岩が浮いていたりマグリットみたいだ。劇画タッチでも手塚治虫タッチでもない。非人間的な、機械的な印象。しかしごちゃごちゃしていて有機的にも見える。しかしその有機性は廃墟や人体模型の有機性だ。工場のパイプのような有機性だ。ベタベタした感じ、湿った感じではない。シュルレアリスムとは非現実ではなく強度の(強度の近視というような強度)現実だ、と巌谷國士さんも言っていたがメビウスの絵も「強度の現実」といった感じだ。余りに現実的過ぎて現実を踏み外してしまっている。それが見る者の快感を呼び起こす。人間以外の何かに自身が変身していく感覚。超人間、まさに超人である。