ニーチェの番組がこの前までNHKでやっていた。その中で「永遠回帰」についても取り上げていた。ニーチェの本は通して読んだことはないがずっと関心はあった。永遠回帰はこの一瞬(例えばこの月夜、あの蜘蛛、あの木の枝の揺れなど)が寸分違わず完璧に過去無限回繰り返され未来に渡っても無限回繰り返されるという認識のことであるが、ニーチェはエネルギー保存の法則から着想したという。この思想をひらめいた時かみなりに打たれたような気がしたそうだ。例えばサイコロを十回ふってみる。その出目の順序はサイコロを何万回もふれば何度も繰り返すだろう。千個のサイコロを千回ふったとしてそのサイコロ各々の出目の順序も無限回サイコロをふれば無限回繰り返されるだろう。過去の未来のどこかの地点で。ニーチェは失恋に苦しんだそうだ。しかし愛した女性との長い散歩はニーチェにとって最高の経験だった。失われた恋も恋人もその瞬間は過去に無限回存在し未来に無限回存在する。その喜びの経験は無限回回帰する。それだけでそれならば人生のすべては宇宙のすべては肯定できる。これでいいのだと。我が人生よ、この宇宙よ、これでよい。と。そのような心境だったのだろうか。「苦しみよりも喜びはより深い」という言葉もあったようだ。番組では中島みゆきの『時代』に永遠回帰がたとえられていた。別れた恋人も倒れた旅人もいつか再び出会い歩き出す。寸分違わず完璧にそのままが何度でも回帰する。