国立新美術館のシュルレアリスム展に行ってきました。巌谷國士さんの講演会もありました。シュルレアリスムは第一次大戦の経験により、のんびりした風景画にリアリティを感じられなくなり、「露出した野蛮な自然」に目を向けたもの、キュビズムがアフリカなどの原始的芸術に影響され部分的に取り入れたものだとするとシュルレアリスムは全面的に原始的なもの、自分自身の「野生の眼」に目覚めたものだそうです。今度の震災もそれまで隠されていた忘れていた自然、空間の露出、意味や機能を欠落させた偶然性の露出、と考えられるそうです。戦争や津波による瓦礫の山。それは意味や機能を欠いた「オブジェ」「もの」だ。文明や文化により人間は「自然」を調整して生きている。そして手に入れた加工された自然、快適な生活を世界のすべてと信じ込んで生きている。しかし巨大な戦争や災害によってすべてが破壊された時世界は名前も意味も機能も失いその「恐るべき偶然性」の素顔を見せる。世界は本来意味も機能も名前も持たないという端的な事実が突き付けられる。俄然廃墟や夢や人形や夜や死骸がリアリティを帯び始める。19世紀後半からの芸術の変容の秘密。絵画にしろ音楽にしろ文学にしろ演劇にしろ。ポロックの絵もありました。