2人で電車を降り、改札を出ると彼が手を差し出してくれた。
比較的この場所は人も少ないし、彼の知り合いもいない場所。
ぎゅっと手を繋いでポケットに手を入れてくれた瞬間凄く幸せだった。
たくさん建ち並ぶホテル。
お互いもうこんなところいつ来たっけ?ぐらい昔の話。
『ねーねー、どこにする?』
『いや、私どこでもいいからなおくんに任せるよ♪』
『んー…ぢゃぁー…ここ‼︎』
早い時間帯だったので部屋も問題なく空いていて2人で狭いエレベーターに乗る。
『あこちゃんさ、ちょー緊張してるでしょ?笑』
私はこの狭い空間に彼といるだけで凄い緊張だった。
自分では平然を装ってたけど見透かされてしまうぐらい緊張が顔に出ていたんだと思う。
エレベーターから降りて部屋に着く。
『どうぞ、お姫さま♪♪』
そう言ってドアをあけてくれた。
中はそんなにひろくはなかったけれど、
広いベッドに広いお風呂。
懐かしい空間に余計ドキドキしてしまう。
荷物を置いて彼が上着を脱いで
『先にお風呂お湯溜めて来るね!』
『あ!ごめんね、ありがとう!』
私はその間に荷物を片付け、上着を脱いでハンガーにかける。
『あこ、ぎゅーして⁇』
彼が戻って来て手を広げていた。
私は彼に近寄りゆっくりぎゅーをした。
『あー、やっとぎゅーできた…。』
『うん…。』
『本当大好きだよ、あこ…。』
『私もなおくん大好きよ…。』
彼の温かさと、匂いに包まれて幸せで幸せしかたがなかった。
けど、頭の片隅で思った…。
旦那さんごめんなさい。
子供達ごめんなさい。って…。
この時彼は少しでも奥さんの事、子供達の事思ったのかな…?
けど、私…彼が大好きって抱きしめられながら思った。
時間止まれって本気で思った…。
駅についた。
彼に会う緊張と降りたことのない場所で全くわからない中で1人の不安。
『駅についたよー!どこにいればいい?』
『もうちょっとで電車着くから、着いたら電話する!』
私はきょろきょろしながら、目印になりそうな物を探した。
大きな改札の前。
◯◯口改札前の文字。
後ろ中はコンビニ。
横にはお弁当屋さん。
電話が鳴る。
『着いたよ!今どこにいる?』
『うーんとねー…』
『てかちょー風邪声じゃん‼︎大丈夫⁈⁈』
『鼻水が止まりません…あと咳も。移したらごめんね!』
『移すのは全然いいけどさ!んで今どこ?』
私は目印になるものを全て彼に伝えた。
彼もこの駅にはほとんどこないから位置関係が全くわからない。
『あこどこだー⁈⁈』
『なおくんどこー⁈⁈早く見つけてー!緊張してやばいーー‼︎笑』
『待ってろよー…絶対この辺のはずー…』
『早くーー笑』
『……あ‼︎‼︎‼︎見つけた‼︎‼︎‼︎』
『え⁉︎⁈どこ⁉︎⁈⁈』
前から来るのか、横から来るか、後ろから来るのか全くわかんない私はきょろきょろしまくり。
『こっち‼︎‼︎前だよ前‼︎‼︎』
階段から手を振っておりて来る彼。
『あー!なおくん‼︎本物‼︎笑』
『いやいや、偽物とかないから笑』
『確かにそうだけどさ笑。よくわかったね!』
『写メで見てるしすぐわかったよ♪よし、時間もったいないから行こう!』
私達は一日最低一回は写メを送る約束をしている。
お互い会えないし、その方が1日頑張れりから。
実物の彼は写真なんかより全然素敵だった。
私なんかでいいのかな?って不安になるくらい。
私達は色々話をしながら一駅電車に乗り2人きりになれる場所へ向かった。