特集(3)~ハッピー・マン
さて、ここからが彼らの波瀾に満ちた歴史の幕開けでもある。ライヴCDを挟み、次に登場するのが「5」。ロバート・ラムがほとんど曲でペンをとり、初期名曲として名高い「saturday in the park」や「dialogue」を送り出す。時代の流れか、ラジオでのオンエアーも意識したコンパクトな作りになっていて、アルバムは初のNo.1を獲得。聴き所も多く納得の結果とも言える。「6」では、荒っぽさを殺ぎ落としてポップな纏まりを見せた。ただ纏まりを見せた分、1曲のインパクトはいささか薄れた感もある。セテラのカントリー・フレイヴァーはこの辺りから顔を覗かせる。
「7」は少々趣が違った。前に2作品のポップさを取っ払うかのように5曲目までの前半で強烈なインストを披露し、後半のヴォーカルパートへと繋ぐ。とにかくバラエティに富んでいて、アルバムの統一感がないが、大半でメインヴォーカルをとったピーター・セテラの「happy man」「searchin' so long」「wishing you are here」「call on me」が妙に爽やかで優しすぎる。そして新たにパーカッショニスト、ラウヂール・ヂ・オリヴェイラが加入した続く「8」は、個人的にシカゴの中で最も好きなアルバムだ。もともとメンバーそれぞれが作曲できるだけに、さまざまな作風とそれに見合ったヴォーカルの選択は重要だったが、このアルバムはその作風とヴォーカルパート配分が非常に良い。本来ならピーター・セテラが歌っているだろう、パンコウ作のメロウな「brand new love affair-part1&2」はキャスのソウルフルなヴォーカルが新鮮だし、セテラは珍しくハードロック調な「hideway」を披露。そんな意外性というか新たな魅力が味わえるし、曲も粒揃いで「old days」のヒットも見逃せない。