道徳的規範は、子どもが正しい行いをしたあとに親がどう声をかけるかによって形成される部分がある。
多くの人は子ども自身ではなく、その行ないを褒める。
「いいことをしたね。思いやりのあることをしたね」と。
行動を褒めることでその行動は強化され、子どもはますますよい行動をくり返すだろう。
しかしここで待ったをかけるのは、心理学者のジョアン・グルーセックが行った次のような実験だ。
まず、ビー玉を分け合いながら子どもたちを遊ばせた。
その後、数人を無作為に選び、その行ないを褒める。
「ビー玉をあの子にあげたでしょう。きみはいいことをしたね。とても素晴らしいことだ。人の役に立つ行ないができたね」
次に、その他の子どもたちに対しては、その子の人柄を褒めた。
「きみはいつでも、ほかの人を助けたいと思っているんだね。きみは本当に素晴らしい子で、人の役に立てる子だね」
人柄を褒められた子どもは、その後もさらに気前よく振る舞ったのだった。
二週間後、「人の役に立てる子だ」と褒められた子どものうち45パーセントが、入院している子どもを元気づけるために図工の材料を寄付したが、「役に立つ行ないができた」と褒められた子どものうちでは10パーセントに留まった。
人柄を褒められると、それを自分のアイデンティティの一部としてとり込むのである。
自分は単に道徳的な行動をとったのだととらえるのではなく、自分は本来、道徳心の高い人間なのだという、より統合的な自己概念が形成されていく。
アダム・グラント 著
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褒めるときは、人柄を褒める。
叱るときは行ないを叱る。
叱るときは行ないを叱る。
これがその子の人間性を壊さずに、柔軟に育てる術。
人は誰でも間違う。
その時にどのように言われるのか、どのように罰せられるのか。それが、人格の形成に大きく関わる。
人を育てる接し方をしていたいですね。