長野県の大桑村に打合せに行く途中、木曽川に架かる橋を見た部下が「時間があったら、寄りたいです」と言ったので、帰りに立ちよった。
確かに、木曽川沿いの国道19号線を走るときに気になってた橋ではある。
右岸側の公園の駐車場に車を停めて橋のところまで行くと、『桃介橋』と書かれた近代化産業遺産の記念碑があった。
桃介橋の桃介とは、電力王と言われた福澤桃介翁(福澤諭吉の婿養子)のことである。
桃介翁と日本の女優第1号である川上貞奴のラブロマンスは、NHKの大河ドラマ『春の波涛』で、貞奴役が松坂慶子さん、桃介役は風間杜夫さんが演じた。
桃介翁と貞奴が住んでいた名古屋の住居は、(二葉町にあったため)『二葉御殿』と呼ばれていた。
今は名古屋市に寄贈されて『文化のみち二葉館』として公開されている。
話を戻そう。(笑)
木曽川一帯で水力発電所を開発していた桃介翁は、この地で読書(よみかき)発電所を作る際に資材を運ぶためにこの橋を建造した。
4径間のつり橋で、橋げたを鉛直方向に吊るとともに、水平方向にも地面からワイヤーで支えた吊り状構造になっている。木造の橋長は、247.762mで木造のつり橋としては日本一の長さである。