敗血症について、入院中に先生やナースさんから知り得た知見をまとめてみたのと、自分が経験したこと(赤字で記入)を書いてみた。
概要)
敗血症は、細菌やウイルスに感染することによって、全身に様々な影響が及び、特に心臓や肺などが機能障害(臓器不全)される病気である。
原因)
原因となる主な細菌は、ブドウ球菌、大腸菌、連鎖球菌などで、多くは肺炎、尿路感染症、皮膚や腸管からの感染症から発生する。
透析患者は、穿刺部からのシャント感染が原因となることが多い。
65歳以上の高齢者、乳幼児、透析患者などは、感染症から敗血症に進行するリスクが高い。
自分の場合は、黄色ブドウ球菌だった。
症状)
敗血症は全身性の病気なので、身体の様々な部位に症状が現れる。
下痢、嘔吐、頭痛、呼吸困難感、咳のほかに、異常な体温の上昇・降下、悪寒、ふるえ、手足の冷え、心拍数の上昇、呼吸数の増加や見当識障害などがある。
自分の場合は、体温の上昇、嘔吐、下痢が主な症状だった。
検査・診断)
・血液検査
炎症の程度、腎機能、肝機能を調べる。特に、白血球の増加・減少が見られる。
自分の場合は、白血球数が12.3(×10^3/μl)と上昇し、ヘモグロビンが8.1(g/dl)炎症の数値(CRP)が17.5、アルブミンが2.8(g/dl)だった。
・血液培養検査
・細菌の有無やどんな細菌なのかを調べる。種類を特定することで、抗菌薬選択を容易にする。
・血液ガス分析検査
動脈血により、血液中の酸素や二酸化炭素の量、血液の酸性度を調べる。この検査により、人工呼吸器の使用の有無を決める。
自分の場合は、PCo2が33.0(Torr)と基準より低く、Po2が134.8(Torr)と基準より高かった。
・画像検査
全身の臓器に影響を与えるため、症状に応じてX線、CT、MRIなどを行う。
治療)
元となった感染症の治療と全身状態を改善するための治療の2本立てで行う。
感染症の治療は、病原体に適した抗菌薬の投与を行う。皮膚からの感染症の場合、ダメージを受けた部位を取除く手術が行われる。
全身状態を改善するための治療は、症状に応じて、血圧を上昇するための点滴、酸素吸入や人工呼吸器の使用、腎機能が悪化しているときには透析患者でなくても人工透析を行うこともある。
さらに、貧血などの症状があれば、輸血を行う。
自分の場合は、全身状態の改善として、輸血を6単位、アルブミン製剤やノルアドレナリン(血圧維持)などの点滴、抗菌剤として、バンコマイシン、セファゾリンNa、メロペンの点滴、24時間透析を行った。
予防)
感染症を予防することと万が一感染症に罹ったとしても早めに治療することが、敗血症への予防となる。
そのために、手洗い、手指消毒、マスク着用などの基本的な感染症対策をしっかり行うことが大事である。
インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種を行うこと。