では、世界でも稀な年縞はどのようにして発見されたのだろうか?
三方五湖のひとつ三方湖のほとりに鳥浜貝塚遺跡がある。この遺跡は1962年に発見され、多くの遺物が水漬けだったので、良好な状態を保っていたため、『縄文のタイムカプセル』と呼ばれた。
この遺跡の調査の一環で水月湖のボーリング調査を行なったときに偶然に年縞が見つかった。1993年のことだった。
縄文時代の縄文の由来は、土器に縄の模様が付いていたことによる。(東京の大森貝塚で最初に見つけたアメリカ人のモースが命名)ところが、各地の遺跡で縄文土器は発見されたが、模様を付けたとされる縄そのものは発見されなかった。
鳥浜貝塚遺跡から、いろいろな縄の遺物が見つかった。他にも赤い漆を使った櫛も発見されている。
福井県年縞博物館は、第2回の日本博物館協会賞を受賞している。
この賞は、協会創立90周年を記念して行われた。
ちなみに、第1回は、ちひろ美術館(東京・安曇野)と北名古屋市歴史民族博物館、第3回は、大原美術館(倉敷市)、第4回は、明石市立天文科学館である。
福井県年縞博物館は大人の博物館を標榜しているので、子ども受けするようなゆるキャラがいたりせず、決して楽しい博物館ではないが、訪問すると学芸員の方がマンツーマンで懇切丁寧に説明してくれる。
北名古屋市歴史民族博物館が博物館協会賞を取っていたなんて知らなかったので、友だちを誘って行ってみよう。