金曜日の東京出張のおりに、竹橋にある東京国立近代美術館で開催されている『ゲルハルト・リヒター展』に行ってきた。
本展は巡回展なので、東京のあと豊田市美術館にやってくるが、ミロ展のときのように見逃してしまわないように、見られるときに見ておかないと思いやってきた。
ゲルハルト・リヒターは、ドイツ・ドレスデン生まれの現代アートの巨匠である。
日本では16年ぶりの個展であるが、東京では初開催なので、平日にもかかわらず結構な人出だった。
日本初公開の『ビルケナウ』。
ビルケナウは、写真をベースにした4枚組の抽象絵画で、第二次世界大戦中にアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で撮影された写真をプロジェクターで投影して、その影をなぞって描き、さらに幾重にも絵の具を塗り重ねている。
近くで見ると、絵の具が削り取られている様子が分かり、その荒々しさがホロコーストへの作者の怒りを感じた。
リヒターといえば、『カラーチャート』。
本展は章立てになっていないので、順路が決まっていない。だから、展示会場を自由に歩き回って見ることができた。
カラフルなカラーチャートから、モノクロチックなビルケナウを行ったり来たりして見ると、また違った感じを受ける。
『アブストラクト・ペインティング』
リヒターは、アブストラクトのペインティングという手法を生み出した。
何重にも塗り重ねられた絵の具をヘラで削り取ることで表現しているが、その意味するところはよく分からない。(汗)