JR東海が運行する特急電車は、新幹線を除けば、名古屋〜金沢の『しらさぎ』、名古屋〜富山の『ひだ』、名古屋〜長野の『しなの』、名古屋〜南紀勝浦の『南紀』、豊橋〜飯田の『伊那路』、静岡〜甲府の『ふじかわ』である。
『しらさぎ』以外はすべて地名から特急名がつけられていることに気づく。
じゃあ、『しらさぎ』はどうして『しらさぎ』なのか?
これには、沿線にある加賀温泉郷のひとつ山中温泉の開湯伝説にあるようだ。
山中温泉は、1300年前の奈良時代の高僧・行基が発見したと伝えられている。
時が過ぎ、平安時代の末期、能登の地頭が一羽の白鷺(しらさぎ)が傷めた足を小さな流れで癒やしているのを見つけ、その場所を掘ると温泉が噴き出した。
松尾芭蕉は、奥の細道の道中に山中温泉に訪れ、有馬温泉、草津温泉と並ぶ『扶桑の三名湯』と讃えたそうである。
特急しらさぎの面白いところは、先頭車両と最後尾車両が違うところ。
しらさぎの車両は、全国的にも珍しく前後非対称の車両となっている。
しらさぎは、米原駅でスイッチバックするので、進行方向がかわる。
だから、下の写真の車両は、名古屋~米原では最後尾車両であるが、米原~金沢では先頭車両となる。
名古屋~米原の先頭車両は、下の写真の車両(貫通型車両という)である。