ゴッホは、ジャン=フランソワ・ミレーの『種をまく人』に憧れを抱いていたようで、この画題で何点もの作品を残している。

本展の『種をまく人、農夫』は、ゴーギャンと共同生活した南仏アルル時代に描かれたものである。


 

 


強烈な光を放つ太陽をバックに色とりどりの畑が目を引く。

ミレーの『種をまく人』と同じ姿の農夫が逆光に包まれて、ミレーの絵とは違い強い生命力を感じる。

今回、ゴッホの絵は、実物を見るに限ることを改めて実感した。

絵の写真では平面的に見えるが、実物を見ると絵の具が盛り上がっていて3次元的に見える。その盛り上がり方にゴッホの情熱を大いに感じた。

普段なら大人気のゴッホなので、絵に近づくこともままならないはずだが、コロナ禍で人数制限しているので、ゴッホの情熱的な筆のタッチを間近に見ることができた。

 

 

 


この『黄色い家』は、ゴッホ美術館所蔵である。

うがった見方をすれば、『アルルの跳ね橋』や『夜のカフェ』を持ってくれれば良かったんだけど、糸杉だけではメインに弱いのか、この絵を持ってきたんじゃないかと思ってしまった。


このアルルの黄色い家で画家たちとの共同生活を夢見てたが、実際にアルルにやってきたのはゴーギャンだけだった。

しばらくしてゴーギャンとの仲も悪くなり、精神に異常をきたし、例の耳切り事件を起こしてしまう。