1月11日付けで日本透析医会・日本透析医学会・日本腎臓学会新型コロナウイルス感染対策合同委員会から『新型コロナウイルス患者増加にともなう透析施設における対応と透析患者の透析医療確保についてのお願い』が出された。(詳細は、こちら。)

 

これによると、デルタ株に比べて感染力の強いオミクロン株の出現により、これまでに経験したことのない勢いで拡大している。1月9日には、沖縄県、山口県、広島県にまん延防止等重点措置が適用された。急激な勢いで感染症が拡大しているので、透析患者の感染者も増加することが予想される。

また、医療従事者が濃厚接触者となることにより、透析医療の継続に影響が出る可能性がある。

 

そこで、今後の感染拡大に対する備えと透析患者における感染の急増を防止するために、以下の対応をお願いする。

 

1)新型コロナウイルス感染症への感染対策

主な感染経路は、飛沫感染と接触感染であり、これを防ぐためには、マスクの着用(飛沫感染)と手指衛生(接触感染)である。

 

2)透析室における新型コロナウイルス感染症への具体的な感染対策

①患者教育の徹底

発熱や咳などがある場合は、来院前に必ず連絡してから受診するようあらためて指導徹底すること。

 

②医療従事者の対策

 

③新型コロナウイルス感染症疑い患者への感染対策の徹底

 

④個人防護具の着用と環境表面の清掃・消毒の徹底

 

3)透析患者におけるワクチンの効果およびワクチン接種の推奨

合同委員会の症例報告では、ブレイクスルー感染した透析患者は222人で、このうち12人が亡くなっている。死亡率は5.4%となり、透析患者全体の死亡率が15.8%であることから、ワクチンの2回接種により死亡率を1/3に抑制している。

 

4)各都道府県の透析治療における専門家や地域の透析ネットワークと新型コロナウイルス感染症に係る調整本部との連携について

 

5)維持透析施設への退院患者の速やかな受入れについて

 

6)外来維持透析施設における無症状者および軽症者の透析について

新型コロナウイルス感染症透析患者が急増したときは、入院病床の不足が危惧される。その際には、外来維持透析施設で、感染患者の透析を行う必要がある。

 

7)感染者発生時の新型コロナウイルス感染症の症例報告のお願い