第2章)アートの磁場転換
この章では、シュルレアリスムを起点にして、それがアメリカに渡って抽象表現主義、アンフォルメルが誕生するまでをひとつのストーリーにしている。
画家では、マックス・エルンスト、ジョアン・ミロ、サルバドール・ダリ、ルネ・マグリッド、アルベルト・ジャコメッティ、ジャクソン・ポロックなど。
シュルレアリスムは超現実主義と訳されるが、実際には、理性や慣習、決まりごとから解放し、無意識や夢、偶然性などを絵画の世界に導入した。
例えば、ジュアン・ミロの『パイプを吸う男』は、夢で見たものを手のおもむくままに描く『オートマティスム』というシュルレアリスムの手法で描かれている。
この絵は、富山県美術館の前身の富山県立近代美術館が最初に購入した作品である。
この章というかこの美術展の目玉であるルネ・マグリットの『王様の美術館』。
横浜美術館が開館する前に購入したよこびの代表作である。
山高帽の男性は、マグリットの作品によく出てきてて、トレードマークになっている。
今のデザイナーなら、もう少し洒落た作品を作るだろうけど、こういうSF的作品を初めて世に出したところにマグリットの先進性がある。
ジャクソン・ポロックの『無題』。
天井からロープでぶら下がり、絵の具を垂らした『アクション・ペインティング』という技法で描かれている。ここまでくると、いいのか悪いのか、さっぱり分からない。
画家本人は、偶然の産物ではなく、意図して描いてると言ってるらしい。