ハンガリー生まれの女性で、間違いなく今年のノーベル医学生理学賞を受賞するはずです。

 

 

 

ワクチン接種の予約電話やホームページが繋がらないと問題になってるが、このワクチンの基本技術であるmRNA(メッセンジャーRNA)を開発したのがカリコー博士です。

 

DNA研究が全盛期だった30年以上前から、博士の信念に基づきこのmRNA研究一筋だったそうで、博士の伝記的な読み物を読むと、新型コロナウイルスのワクチンが早期に完成したのは博士のこうした努力によるものだということが分かる。

 

博士の信念は、『80年代の終わりから焦点が当てられた遺伝子治療の目的は、DNAを細胞に送り込み永続的に働かせることであるが、多くの病気は遺伝性ではなく、治療は一時的であるべきで、だからこそmRNAを使う方が合理的だと思った。』ということにあるようだ。

 

mRNAは、体内に入るとタンパク合成の指令を出したあと1週間くらいで分解されてしまうので、ワクチン由来の人工的な遺伝子が体内に残ることはないそうだ。

 

ハンガリーからアメリカに渡ったときの話、研究予算の獲得に失敗し続けて教授の座を降格させられた話、mRNAが体内で免疫により攻撃されないようにするためのブレイクスルーの話、その後開発者同士による特許訴訟の話などエリスロポエチン以上の興味深い話がてんこ盛りである。

 

ちなみに、現在、カリコー博士は、ファイザー社とワクチンを共同開発しているビオンテック社の副社長である。