東京都美術館で開催されてた『コートールド美術館展』が愛知県美術館にやってきた。
前に観たときは会期末に近かったため、結構な人出だったのでゆっくりと観ることができなかった。
今回は、会期の中ごろの平日だったので、お気に入りの絵を近くで観たり、ちょっと離れて観たりして楽しむことができた。


この美術展には、二人の対照的な人物が描かれた絵が特に人気だった。

まずは、ピエール=オーギュスト・ルノワールの『桟敷席』。

あとは、エドゥアール・マネの『フォリー・ベルジェールのバー』。

1月の初めにNHKの日曜美術館で『マネ最後の傑作の秘密〜フォリー・ベルジェールのバー』を見て、もう一度じっくりとこの絵を観たくなった。
放送では、コートールド美術研究所が行なったこの絵のレントゲン写真からマネが描こうとした意図を解説していた。
大きな鏡の前にいるバーメイドを描いたものであるが、鏡に写ったものは矛盾に満ちている。これはいくつもの視点を合わせているからで、こうすることによってバーメイド(絵の主題)がよりはっきりする。
矛盾に満ちた絵もバーメイドの広げた腕が絵に安定感を与えている。
しかも、このバーメイドのなんとも言えない表情に吸い込まれる。

ひょっとしたら、会期中にもう一度会いに行くかもしれない。(汗)