今年のノーベル医学生理学賞に『細胞による酸素量の感知とその適応機序の解明』が選ばれた。

ノーベル賞って言うと文学賞とかを除いてあまり自分たちに関係ないって感じがしていたが、今回の医学生理学賞は、すでに腎性貧血を解決することに応用された技術のようだ。(もちろん、他にもいろいろなことに応用されるが)

新聞記事を引用すると、『3人の研究者による研究成果は、動物における酸素濃度の変化への適応に関する研究。細胞が酸素濃度の変化を探知し、適応していく際の機序を解明した。造血ホルモンであるエリスロポエチンEPO)遺伝子を同定してその制御機構を解き明かすとともに、酸素濃度に応じて遺伝子発現制御を行うHIF(Hypoxia-inducible factor:低酸素誘導因子)を同定し、そのメカニズムの解析を進めた。』とある。

マラソン選手や水泳選手が低酸素の高地でトレーニングすると、心肺機能が高められるが、これを分子レベルで解明できたそうだ。

HIFは、身体が低酸素状態に陥ったときに誘導される因子で、低酸素状態に対応するために様々な蛋白質の発現を促す作用がある。

低酸素じゃない通常の状態でもHIFは存在していて、低酸素でないとHIF-プロリン水酸化酵素(PHD)によって分解されている。

すなわち、このHIF-PHDを阻害する薬剤を開発できれば、身体を低酸素状態だとだますことができ、様々な蛋白質を活性化することができるのではないかと考えられていて、全世界で開発が進んでいるようだ。