『せいび(西美)』は、上野にある国立西洋美術館のこと。
ル・コルビュジエ(本名シャルル=エドゥアール・ジャヌレ=グリ)の設計による本館は世界遺産に登録されている。
本館の実施設計と新館の設計は、前川國男氏によるものである。
前川國男氏と言えば、以前ブログにも書いたけど、福岡市美術館や東京都美術館を設計した人。
さらに言えば、西美の前に建っている東京文化会館の設計も氏によるものである。
その西美で開館60周年を記念して『松方コレクション展』が開かれている。
西美自体、松方コレクションを展示、保管する施設として建てられているが、今回の展示は見どころが満載である。
松方コレクションは、川崎重工業の前身、川崎造船所の初代社長である松方幸二郎氏が買い集めたものである。
ただ、美術品を買い、いざ日本に送るときに太平洋戦争の終戦を迎え、イギリスで保管してた800点の作品はすべて焼失し、フランスのロダン美術館で保管していたものは敵国資産としてフランス政府に接収されてしまった。
戦後、吉田茂首相の尽力でフランス政府から返還(言葉的には寄贈となっているが)され、その際、展示用の新たな美術館を建てることが条件となっていたので、フランスで活躍していたル・コルジュビエの設計によって建てられた。
当時の日本には、美術館を建てるだけのお金がなく、コレクションの一部を売却して建築費を捻出したらしい。
フランスから返還される際、すべてのコレクションが返還された訳ではなく、どうしても渡したくない作品20点ほどは返還されなかった。
で、今回のコレクション展は、このフランスが手放さなかった作品の何点(特に、フィンセント・ファン・ゴッホのアルルの寝室が有名)か、さらに散逸された作品までもが展示されている。