引き続きネスプの話。
ネスプなどのバイオ製剤(生物学的製剤)は、遺伝子組み換え技術を応用し、動物または微生物が持つタンパク質(ホルモン、酵素、抗体等)を作る力を利用して製造される医薬品である。
このバイオ製剤のジェネリックには、バイオセイム(Bio-Same:後発バイオ医薬品)と呼ばれるものとバイオシミラー(Bio-Similar:バイオ後続品)と呼ばれるものに分けられる。
前々回の記事で書いたネスプのオーソライズド・ジェネリックは、バイオセイムに分類される。なぜなら、ネスプと同じ製造ラインで作られ、包装材だけが違ってるだけで、中身はまったく同じものだから。
だから、same=同じという名前がつけられている。
一方、バイオシミラーは、バイオシミラー協会によると、『バイオ医薬品の本質であるアミノ酸配列は先行品と同一ですが,細胞株や培養工程は製造業者により異なることから,糖鎖や不純物の割合など先行品と完全には一致しないものの,厳格な品質試験,薬理試験,毒性試験及び臨床試験によって医薬品としての同等性/同質性(comparabilityの和訳:「品質の類似性が高く,品質に何らかの差異があっても安全性・有効性に影響を及ぼさないこと」)が検証されています。』とのこと。
similar=類似だから、似てるけどまったく同じではないものになる。
バイオシミラーの製品名には、その略語であるBSが必ずつくようである。