β2ミクログロブリンは、透析アミロイドーシスの原因物質である。

小さなタンパク質であるが、透析で除去される物質の中ではもっとも大きいもののひとつである。

透析で除去しきれなくなると、血液中に貯まり、やがて骨や関節に沈着して、関節の痛みや変形、運動障害を引き起こすことになる。

 

さて、透析開始してからのβ2ミクログロブリンはこんな感じ。

 

うちのクリニックではβ2ミクログロブリンは半年に1回の測定である。

大きく上昇したときには、ダイアライザーをポア径の大きなものに替え、ここ3年ぐらいは30mg/Lくらいで安定している。

検査データのグラフを何気に眺めてたら、上限値の20mg/Lを超えてることに気付き、院長先生にβ2ミクログロブリンを下げるべきか確認した。

 

透析医学会の『慢性維持透析ガイドライン』によれば、30mg/L以下が推奨値となっており、25mg/L以下が望ましい値となっているそうだ。

グラフの上限値は、何から引用したんだろうか???(汗)

さっそく、グラフを訂正しなきゃ。

先生によれば、クリニックの全患者さんの平均値が30mg/Lなので、自分の値もほぼ平均値だそうだ。

もしβ2ミクログロブリンを下げたければ、透析時間を延ばすしかないようだ。

 

4月から始まったiHDFも多少下げる効果があるようなので、半年後の結果を見て、透析時間を延ばすかどうかを考えよう。

 

ガイドラインを調べてみると、『β2ミクログロブリン濃度と生命予後』というデータがあった。

これによると、β2ミクログロブリンは低ければ低いほど生命予後はよく、30~35mg/Lの生命予後は25~30に比べて20%ほど悪いようだ。

 

早めに透析時間を延ばした方がいいかもしれない。