昨日は退院後初の外来受診で、摘出した左腎臓癌の病理診断の結果を聞いた。

病理診断(左腎)

 

 
左腎細胞癌(Renal cell carcinoma:RCC):病理診断の結果、細胞癌であった。
  renalは、腎臓(kidney)の形容詞。
  carcinomaは上皮がんのことで、cancerは使わない。

明細胞型(Clear cell carcinoma):細胞癌の種類が明細胞型であった。
  腎臓癌の種類は全部で6種類あり、約80%がこの明細胞型だそうだ。

細胞型と予後はこんな感じ。
淡明細胞型(clear cell carcinoma ):予後はピンキリ
顆粒細胞型 (glanular cell carcinoma):予後はいろいろ
嫌色素細胞型 (chromophobe renal cell carcinoma):予後は良い
紡錘細胞型(spindle cell carcinoma ):最も予後が悪い
嚢胞随伴性腎細胞型 (cyst-associated renal cell carcinoma):予後は良い
乳頭状腎細胞型 (papillary renal cell carcinoma):予後が良いタイプと悪いタイプに分けられる

G2(異型度):異型度1~3のうち、G2であった。
  癌細胞の核の大きさを正常細胞の核と比較して、1 ~3 に分類する。
  腎癌の場合、比較する正常細胞は近位尿細管上皮細胞だそうだ。
近位尿細管上皮細胞核(大きさ10μm)より小さい場合を異型度 1、同等が異型度2、癌細胞の核の方が大きいと異型度3となり、G1よりG2 の方が、さらにG3 の方が予後が悪くなる。G は grade の頭文字。
 なお、人口比腎細胞癌患者が10倍のアメリカでは、1~4段階で示し、自分の場合、アメリカの基準(Fuhman grade)でもG2に当たるらしい。

INF-α:組織学的浸潤増殖様式(?)が膨張型であった。
  腎細胞が膨張的に発達しているのか、浸潤的に増殖しているのかをみており、膨張型をINF-α、浸潤増殖の場合をINF-γ、その中間をINF-βと分類する。
  α、β、γの順に予後が悪くなるようだ。
  INFは、浸潤(infiltration)の略。

v(-):静脈への浸潤はない。
  静脈への浸潤の度合いを1~3で示し、(-)は浸潤がないことを表す。
  vは、透析患者にはV圧とかでおなじみの静脈(vein)のこと。

切除断端(-):取り残しの可能性はない。
  腎細胞が切除した断面からどれくらい離れているかを(-)と(+)で表し、(-)は取り残しの可能性がなく、(+)だと取り残しの可能性があることになる。

pT1a:ステージⅠa期に確定診断された。
  画像診断だけだとT1aと呼ばれるが、病理診断で確定されるとpがつく。
  pは、病理学(pathology)の略。


要するに、『腎臓癌の多くに見られる淡明細胞型の膨張癌で、悪性度は中くらいで、静脈への浸潤がなく、癌細胞をきれいに取り除くことができた。』ということかな。

これで、ようやくすっきりしたよ。