うちのクリニックの透析液は、扶桑薬品工業のキンダリー4Dを使用しているので、メーカーから出ている添付文書を基に浸透圧を計算してみる。

キンダリー4D

こちらが、添付文書。

電解質濃度

 
で、左下の電解質濃度をアップしたもの。

単位は電解質がmEq/Lで、ブドウ糖がmg/dLだから、これをmOsm/Lに変換するだけかな。

前にも書いたけど、注意が必要なのはイオン価が2以上あるもの(カルシウム、マグネシウム)で、mEq/LからmOsm/Lに変換するときには、イオン価で割る必要がある。

取りあえず電解質の浸透圧は、
ナトリウム:140mEq/L⇒140mOsm/L
カリウム:2.0mEq/L⇒2.0mOsm/L
カルシウム:2.75mEq/L⇒2.75/2=1.375mOsm/L
マグネシウム:1.0mEq/L⇒1.0/2=0.5mOsm/L
クロール:112.25mEq/L⇒112.25mOsm/L
酢酸:8mEq/L⇒mOsm/L
重炭酸:27.5mEq/L⇒27.5mOsm/L

ブドウ糖の分子量は180だから、
ブドウ糖:125mg/dL=1.25g/L
      ∴1.25/180=0.0069Eq/L=6.9mEq/L

したがって、透析液の浸透圧は、それぞれを足すと、

140+2+1.375+0.5+112.25+8+27.5+6.9=298.525mOsm/L

血しょうの浸透圧(285±5mOsm/L)と同じとなる。