いつもいろいろなことを教えてもらっている技士さん。(女性です。)
前に透析液の浸透圧は、血液の浸透圧とほぼ同じだから、浸透圧では除水はできないと教わった。
そのときに、いろいろな組成の透析液があるけど、浸透圧が同じになるように微妙に成分を調整してるんだろうかって質問したら、ちょっと調べますって言って渡されたのが、こちら。

浸透圧メモ


なるほど、透析液で若干浸透圧が異なるんだ。

あれ?生食の浸透圧が高くない?

食塩(NaCl)の分子量は58.44だから、
0.9W/V%の生理食塩水は、0.9g/mL=9g/L

NaCLは、水に溶けるとイオンとなってNaイオンとClイオンに分かれるから、
2×9/58.44=0.308Eq/L=308mEq/L=308mOsm/L

実はすべてのNaClがイオンになる訳ではなく、NaClの解離定数が0.93だから、
求める浸透圧は、0.93×308=286.4mOsm/L

で、血液の浸透圧285mOsm/Lとほぼ等しくなる。

技士さんの名誉のために、透析液のメーカーの説明書に生理食塩水の理論値として308mOsmと記載され、生食との浸透圧比が0.95~1.00になるように確認することとなっているようだ。

ちなみに、Osmは浸透圧の単位でオスモルと読み、mOsmはミリオスモルとなる。
OsmとEq(当量についてはこちらのブログ)は同じだから、mOsm=mEq。

むかしむかし教わった化学では、浸透圧は気体の状態方程式と同じだって習った気がするので、一度整理して勉強してみる必要があるかな。