
新居選びの基準は居住性よりデザイン性、部屋数よりも空間の自由度を優先したが、西三河のド田舎で優れたデザイナーズマンションを見つけるのは想像以上に困難で、けっきょくかなり妥協を強いらることになった。
引越した新居は妥協した結果で内装、水回りなどはいたって平凡だが、もともとはごくありがちな2LDKの間取りを、壁を移動させて自由に変更することが可能だというのが決め手となって契約を決意した。
まったくもって日本の住宅事情は酷いもので、空間を貧乏臭く仕切って部屋数を稼いでいるような物件が多く、遊びゴコロの一つもない。
一言でいえばセンスが全く感じられない。
かつての伝統的な日本建築は、それはそれで日本の気候風土に適した優れたデザインだったものを、合理的で経済的であること最優先しながら、欧米の文化の上っ面だけを真似た結果、今ではプラモデルみたいな建物が氾濫している。
そんな不満が爆発したため、新居の壁は大胆に取り払われ、1.2畳の喫煙室と、3畳のウォークインクローゼット、そして28畳のLDKという、おもしろ自由空間が完成した。ベッドスペースは硝子のショウケースや棚を間仕切りにして確保し、好きなミニカーやらレコードやらに囲まれて眠るのだ。
以前テレビで、『好きな物に囲まれていたい症候群の男はホニャララだ…』というような話を聞いた気がするけど、肝腎な部分はよく聞いていない。
聞かないほうがいいのかも知れないが、知りたい気もする。
しかし好きな物に囲まれて生きることのどこが悪いのだろうか?
ケータイ一つでなんでも出来てしまう時代だからこそ、ミニカーやらレコードやら本やらの無駄に重くてかさ張るガラクタが宝物になるのだ。(この膨大な数のコレクションも、今ならデジタル情報にしてスマートフォン一つに収まってしまうのだろうね)ベッドサイドとリビングのカーテンはmarimekkoでオーダーした甲斐があり、イメージ通りのバツグンの仕上がりだったが、生活感を程よく排除したリビングとは対象的に、喫煙室、ウォークイン・クローゼット、洗面回り等は生活感丸だしである。
我ながら段取りが悪いが、喫煙室とクローゼットはカーテンさえ用意していなかった。
クローゼットには、大昔に使っていた物を取っておいた、ワインレッドのベルベット素材のカーテンを付けることにしたが、喫煙室は今のところ手付かずのまま。
しかし、2階の窓から見下ろすかっこうになると往来の視線が意外と気になるので、応急処置でレコードを並べてみた。

ハワイの余韻で何となく南国チックなジャケをならべてみた(笑)