
フランス近代音楽史上最もスキャンダラスな存在にして最大のカリスマ、セルジュ・ゲンズブールの酒と煙草と女にまみれた生涯を綴った映画『ゲンズブールと女たち』を観てきました。賰ゲンズブールというとブリジット・バルドーやジェーン・バーキン、その他にも多くの美女たちと浮名を流し、元祖フレンチロリータ少女フランス・ギャルにはひそかに卑猥な暗喩を含んだ楽曲を提供してほくそ笑み、また実の娘シャルロットとは禁断の近親姦を匂わせたり…といったセクシャルな言動の数々から、個人的には『絶倫系プレイボーイ』みたいなイメージを抱いていたんですが(彼もまた早すぎたチョイ悪オヤジだったか…)
今回の映画『ゲンズブールと女たち』では、ゲンズブールがユダヤ人として生まれナチスの抑圧を受けた幼少期の苦い記憶や、画家を志しながら断念してしまった挫折感、醜い容姿(それほどでもないと思うが本人は大きすぎる耳と鼻が気に入らないらしい)への劣等感など、ゲンズブールの知られざる(?)ダークサイドが描かれていたのが印象的でした。
まさか希代のモテ男がこんなにもコンプレックスの塊だったとは思いもよりませんでしたが、大胆な表の顔とは真逆の繊細さがまた母性本能をくすぐったりするのかも知れませんね…。
正直なところ映画としては伝記映画にありがちな説明不足で雑な展開が難アリとも感じましたが(そもそも伝記になるほど濃い人物の生涯を2時間で描くことに無理がある)ゲンズブールを今までとは違った角度から見せられたことによって、彼のことをより魅力的に感じたのは事実です。

ゲンズブールの魅力を再発見した勢い余って、映画を見終わったその足でゲンズブールのLPを大人買いしてしまいました(笑)う~ん…なんだかんだ言ってもやっぱりエロかっこいい…!!
紺ブレをダンガリーシャツでラフに着崩し、足元は『レペット』の白いフラットシューズで絶妙にハズすという『ゲンズブール・スタイル』をいつかは真似したいけれど、シンプルなだけにハードルが高い上級テク(笑)である…。
新たに入手したレコードを聴きながらそんなことを考えていると、結局こういう伝記映画っていうのは映画としての完成度よりも、描かれた人物の魅力を知るきっかけになればそれでよいのかもなーとも思えてきました。そういう意味ではいい映画だったのかも知れませんね
