
観てきました。
会場は名古屋におけるサブカル映画の殿堂『今池シネマテーク』!!
つねにマニアックな作品を、我々サブカル中毒者たちに横流ししてくれるシネマテークには、十代の頃からたびたび通っておりました。
最近ではパティ・スミスの『ドリーム・オブ・ライフ』も、ここで観ましたね。

天使と悪魔の顔をあわせ持つ孤高のカリスマ・ロックスター…。
天国と地獄の狭間で狂い咲いた詩人…。
ジム・モリスンについては、もはやここで語るまでもない伝説となっているが…
これまで断片的にしか見たことがなかった『動くジム・モリスン』の吸引力(吸淫力)は、なかなか凄まじいものだった。
まるで糸のからまったマリオネットのような…不気味で、それでいて芸術的なダンスは、ジョイ・ディヴィジョンのイアンカーティスのそれとダブる…。

しかし今回の映画で意外な収穫だったのは、ドアーズの知られざる他のメンバーたちだった…。
カリスマ的存在感を放つジム・モリスンの陰に隠れてしまっているが、なかなかクセ者ぞろいである。

まず、ドアーズ・サウンドの要であるキーボード奏者、レイ・マンザレク。ベースレス編成のドアーズだが、では、あの魅惑のベースラインはどこから鳴っているのか?
オーバーダビングかな?とも思っていたが、実はレイ・マンザレクが右手でメロディを奏でつつ、左手でキーボード・ベースを操っているのだった。
カッコイイ!!

そして、ドラムスのジョン・デンズモア。
ストーンズのチャーリー・ワッツといい、クリームのジンジャー・ベイカーといい、ジャズ畑出身のドラムスは即興性と安定感を併せ持つものである。
デンズモアも、またしかり…。
ちなみににドアーズがウッドストックの出演依頼を断ったエピソードはよく知られているが(一説によると激太りしたジム・モリスンが人前にでるのを嫌ったためと言われる)
デンズモアは聴衆として足を運んでいたらしい。
パンフレットによると、映画『ウッドストック』のジョー・コッカーの出演シーンで、バックステージの端に映るデンズモアを発見できるらしいので、探してみました(笑)

こいつか?

ちなみにデブ期のジム・モリスン

最後にギタリストのロビー・クリーガー。
フラメンコ・ギターの素養があり、カッティングもリードもピックを使わず指で弾くというフラメンコ・スタイル!!
それでいてブルースの手法であるスライド・ギターも多用する異色のギタリスト。
ドアーズのサウンド・メーカーでもある。
彼が生まれて初めて作った曲は、瞬く間に全米チャートの一位に駆け上がった…タイトルは『ハートに火をつけて』
この映画はジム・モリスンの死をもってドアーズは終わった…という観点に立って製作されているが、実はジッサイにはジム・モリスンの死後も、残りのメンバーによって二枚のアルバムがリリースされているという…。今まで全く気にとめてませんでしたが、この映画を観たら、そのレコードも聴いてみたくなりました。

ジム・モリスンと、他の三人のメンバーとの関係性というのも、なかなか興味深いものがありました。
一般的にはジム・モリスンのワンマンバンドという印象もあるドアーズですが、実は他のメンバーは、その天才的カリスマ性に憧れを抱き、嫉妬もしつつも、また一方で冷静にそれを利用しているようにも見えました。
しかし、ジム・モリスンの巨大すぎる精神的質量を、次第にメンバーの誰もがコントロールできなくなっていき、完全にコントロールがきかなくなった時、すべてが終わってしまったのでしょう…。