あー、いいライブだったなー。と思えるライブに出会えたのなら幸せである。
もしそれが、それなりの時間を経てもそう思えるのならば、その感動は本物かもしれない。何故なら、誰しも公演直後は興奮状態にあるもので、思い入れの強いアーティストなら尚更にプラス補正がかかりやすくもなるからだ。
だが一方で、逆に思い出というのは時間が経つと美化されていく一面もある。印象が薄かったり、都合の悪いことは忘れ去られ、覚えておきたい良かった記憶のみがより輝いて残っていくのも真理だ。でも、やはり私は美しい記憶というものを信じたい。
だってそのほうが楽しいじゃん。
おニャン子クラブのメンバーだった我妻佳代さんがソロのアイドルとしてデビューしたのは、そのおニャン子クラブが解散してから数か月後の事。一人のアイドルとしてデビューした時期は、おニャン子クラブブームの恩恵を受けられない、少々厳しい秋の頃の船出となりました。と言っても、固定ファンというか精鋭(笑)たちはまだ多く残っていたし、テレビ番組の出演なんかもそこそこあったような気がします。そういう事を鑑みれば、まあまあ恵まれた環境だったのかな、とも思います。
というわけで、今回の曲は我妻佳代さんの1stアルバム「OH! CHAPPY」の中の5曲目、「チェイス!」になります。
作詞は谷穂ちろるさん、作曲は羽田一郎さん、編曲は鷺巣詩郎さんとなっています。調べてみたところ、作詞の谷穂ちろるさんは大変謎の多い方のようで、経歴等は一切不明、メディア等にも一切顔を出さず、作品のみが世に出ている方のようです。
今回取り上げている「チェイス!」だけでなく、我妻佳代さんにはデビュー曲を始め、多くの歌詞を提供されています。1stアルバムについては10曲中8曲の歌詞を書いておられ、初期の彼女の楽曲の重要なパーソンとなっています。2枚目のアルバムからはレコード会社の方針なのか何かわかりませんが、詩は森雪之丞さんが担当されるようになっています。
さて、彼女の歌唱についてですが、正直に言って、贔屓目に見ても上手なほうではありません。音域、音程、声量、どれも頼りなく危なっかしい感じです。しかし! このブログで同じようなことを何度か言っていますが、それもまた良いのです!
彼女の小動物(齧歯目)っぽいルックスと、可憐な声質が相まって、可愛らしさがマシマシなのです。なんといいますか、守ってあげたくなる、そんなキャラクターの女の子でした。
この「チェイス!」という曲は、女性の刑事?探偵?が怪盗を追う、というストーリーとなっており、なんだかアニメの主題歌のようでもあります。サビのメロディーがとても印象的で、尚且つフェードアウトで終わっていくので聞き終えた後も脳内ループが止まらず、ついつい口ずさんでしまうような作品となっています。
実をいうと、今回は本当はこの曲ではなく、2枚目のアルバムに収録されている「ピーターのTOKONATSU」という曲を紹介したかったのですが、中古CDを手に入れる事でしか聞けなさそうなので、サブスクでも聞けるこちらの曲を選択しました。
さあ、ここからが今回のブログの本番。なぜ冒頭でライブの話をしたかと言いますと、我妻佳代さんの、おそらくは最初で最後のソロコンサート、について話したかったからなのです。
コンサートが行われたのは、私の頼りない記憶によると2ndアルバム発売の直前、デビュー1周年くらいのタイミングで行われたのではないでしょうか。場所はたしか日本青年館。
このコンサートがですね、本当に!本当に!! 非常に良いコンサートだったのです。
もう衣装も可愛かったし(とんがり帽子!)発売前の2ndアルバムからも何曲か歌ったと思うのですが、それも大変ライブ映えしてましたし、大変雰囲気の良いコンサートでした。そして決定的にこのコンサートが印象深いものとなったのが、終演後の出来事なのです。
アンコールが終わり、客電が付き、さあ帰ろうかとなった時、舞台袖から彼女が現れたのです。そして言いました。
「予定にはなかったのですが、このまま終わりたくなくて、スタッフさんと話し合って、最後に皆さんと握手をしてお別れすることにしました」(要約)。
急遽の握手会!! なんていい娘なんでしょう!!(泣)
握手した時の事は今でも覚えてます。小さくてね、笑顔が素敵でね、もう本当に可愛かった。
この出来事とは関係なく、コンサート自体が素晴らしい出来だったので、当時の私はこのコンサートが映像化されるのを心待ちにしていました。しかし残念ながらこの望みは叶いませんでした。カメラが回っていたのは確実に覚えてます。テープ残ってないですかね? 今更だけど出してくれません?