「アルバムって覚えてる?」とグラミー賞の壇上で語りかけたのは確かプリンス。あれは何年前だったのだろうか? その頃からすでに音楽はCD等の「物」を購入するのではなく、ネットから「データ」や再生する「権利」を購入するのが主流と変化していた。良し悪しについてはともかく、その副作用として「アルバム」という物の存在感は薄まり、1曲1曲聞きたいものを聞く、またはプレイリストで聞く、という形へ我々の視聴スタイルは変化していったのは確かだ。
さて今回は追憶の中のアイドルではなく、現在絶賛活動中のアイドルtipToe.の最新アルバム「daydream」について番外編として書いていきたいと思います。ネタ切れではないです。もう一回書きます。ネタ切れではないです。
上に書いたように、世界ではCDという物の流通が少なくなりつつある中、幸か不幸か、我が国では今もって根強く存在し、世界的には珍しいほど数多くのCDが流通しているようです。そのせいで、まだまだアルバムという物の存在価値が軽んじられることなく作られています。
あ、ここで言う「アルバム」とは、『確固たる意志を持って作られた一つの作品』という意味であり、『何曲かを寄せ集めたパッケージ』とは違いますので、そこんとこヨロシク。
閑話休題。今回取り上げたtipToe.のアルバム「daydream」も、その『確固たる意志を持って作られた作品』の中の一つだと思っています。
発売は2019/4/16。最近ですね。といってもメジャーレーベルから出されたものではないので、私のように地方に住んでいる人などはCDではなく配信で買ったという人も多いのではないでしょうか。つい最近サブスクでも聞けるようになりました。
内容についてですが、ファンにとっては既知の曲が多いかもしれません。が、初めて聞く方にはtipToe.がどういうアイドルなのか、その雰囲気や方向性を理解するにはうってつけではないでしょうか。
1曲目の「The Curtain Rises」にある歌詞『才能なんかなくたってここに立って歌うよ』なんかは彼女たちの立ち位置を示しているようで、印象的です。失礼を承知で言えば、彼女たちは決して歌が上手なわけではありません。ですが、だからこそ強く伝わる事もあるのです。歌唱技術の高さのみが歌を伝える最適の方法だとは限らないと思うのです。ま、アイドルのファンの方ならこんな事は重々承知でしょうが。
6曲目と8曲目にBGMにのせた詩の朗読があるのも制作陣の意思を感じます。この詩の朗読は、アルバムの雰囲気づくりのためだけではなく、ステージでも披露しているのがtipToe.ならではかなあと思います。
3曲目の「秘密」はジャジーなサウンドの逸品。非常に気持ちいいです。そして感傷的で感情的な「茜」「アフターグロウ」へとつながっていきます。
ラストの4曲は既に発売されているシングル「thirdShoes」そのまま(曲順もそのまま)なのはどうなのだろうか? と思ったりもしますが、あえての事なのでしょう。この曲順でなければ、という思いの表れかと思います(好意的にとらえすぎ?)。とにかく、最後はアイドルファンなら必聴の名曲「星降る夜、君とダンスを」で気持ちよく終了です。
さて、的外れな意見もあったかもしれませんが、tipToe.「daydream」については以上。Spotifyのリンクを張ってからビールとポテサラを買いに行きたいと思います。ではまた。