訳 井原慶一郎

ノーランの「嘘」とは何か?

 

『フォロウィング』から『インターステラー』まで、作品内で巧みに仕組まれた

観客を欺く構造を、ヘーゲル哲学やラカン派精神分析で徹底的に読み解く。

 

[目次]

イントロダクションー嘘の倫理学

第1章

真実という罠ー『フォロウィング』と完璧な身代わり

第2章

『メメント』と知ろうとしない欲望

第3章

汚れた警官ー『インソムニア』と犯罪捜査の技法

第4章

凡庸なスーパーヒーローー『バットマン ビギンズ』の政治化されたリアリズム

第5章

『プレステージ』における創造の暴力

第6章

真のヒーローの外観ー「ダークナイト」の必要な闇

第7章

『インセプション』における現実放棄の要請

結びー結果なき嘘

第8章

『ダークナイト ライジング』ー闇の騎士は本当に立ち上がったのか?

第9章

反重力ー『インターステラー』というフィクションによる場所からの離脱