機内の程よい揺れに僕はだんだんと眠気を感じてきた。




気がついたら僕はすっかり寝てしまっていた。



“今、何時くらいだろう”




時間的にはもうそろそろ着いてもいい頃である。




到着予定時間から10分が過ぎようとしていたが何のアナウンスもなかった。

周囲の参加者たちも落ち着かない様子だった。




間もなく“いよいよ、何かおかしい”と思ったのか、ちらほらと参加者たちがスタッフと話すために別室まで行き始めたみたいだ。到着予定時間から20分が過ぎようとしていた。




僕はこれもテストのうちなんじゃないかと思っていた。

だから、放っておけば次のプロセスに移るはずだと考えていた。




しかし、いつまで経ってもこの状況が変わる様子はなかった。

僕も次第に落ち着かなくなってきた。




座席の横に付いている呼び出しボタンを押してみた。




すぐにスタッフがやってきた。




僕は彼女に誘導され別室へと向かった。



とにかくなんで目的地に着かないのかを詳しく聞こうと思った。




彼女が言うにはもうテストは始まっているらしく、これがテスト開始になるらしい。

と言うことはずっと席に座ったままでいるといつまでたってもテストが始まらないことになる。


そういえば、まだ、席に我慢して座っている人たちが何人もいた。




“テストが始まってるっていったてなぁ。こっちはさっぱりわからない。”




僕はしぶしぶ自分の席に戻った。