それぞれが別の道に進み多才な能力を発揮している松丸4兄弟。
4兄弟を育てた父、悟さんが、4兄弟をどう育てたかを著した本。
教育方針には「答えは親が教えるのではなく、子どもに考えさせること」を据えた。問題が起きた時に子ども自身が考え解決できるよう促す。これは子どもの個性を伸ばすことにもつながると。
子どもを親の型にはめるのではなく、個性を伸ばすことを重視した。
ただし勉強は大切。将来自分が好きな道に進むための足がかりになるベースが勉強。だから勉強はしっかりやり、大学まで行く。その後進む道については子どもが各自自由に考える。
そのため教育への投資は惜しまなかった。教育によって得た知識や教養は財産となるからだ。本は無限に買ったそう。
進みたい道を選ぶための思考力や知識をつけた上で、やりたいことを見つけられるように。
勉強だけではないが、何をするにも心の中に明確な目標を持つことで、その分野の上を突き抜けるところまで達することができる。
何となく勉強している、では目的を持って勉強している人には勝てない。
勉強するとき、勉強して何になりたいのかという勉強する意味を自覚しているかは重要。親としてはなぜ勉強するのか?を子どもに正しく伝えられるように。
勉強することで、社会の仕組みを知れる。その結果物事の本質を見抜いた上で自分なりの答えを出す力をつけることで、普段の生活の小さなことから人生を左右する大きな決断まで正しく判断できる人間になるのだと。
選択肢が増えるようにと、勉強だけでなく、音楽や映画などの文化芸術にも触れさせる環境を作ってきた。
松丸家の壁には子育てのハヒフヘホが貼られていた。
励ます
引き出す
奮発させる
へこたれない
褒める
勉強など、何かを「させる」のではなく、子どものモチベーションをあげたりやりたくなる環境を作ってあげること。
松丸家の教育方針はこれに集約されていると。
それでも、4兄弟それぞれ親の思うとおりにはならずハードな事件やエピソードも多々載っていた。一番辛いのは子ども本人だろうが、親としても辛かっただろう。それでも見守りサポートし、結果としては乗り越え、4兄弟が大人になった現在は皆、それぞれの分野で成功している。
これも結局は親が乗り越えたのではなく、子ども自身が問題に向き合い解決したのだと悟さん。
一つ感心したのは悟さんの財力。
4兄弟を私立中高や予備校、大学に行かせたのは並大抵のことではないと思います。
成功している4兄弟の現在が分かった上で読む教育方法は納得感が高いです。
一番印象的なのは、こんな優秀な4兄弟にも子ども時代に大きな苦難があったこと。支えてきた悟さん、お母さまの親としての器。
自分の子どもがつまづくことがあっても、長い人生、失敗しても大丈夫とドンと構えて子どもに解決を促しつつ、必要なときは助ける。親も日々勉強と成長が必要だと思いました。
最後に余談ですが、松丸家のお母さまも女の子を熱望していたとのこと。共感しまくりです。でも4兄弟が、こんなに立派に育って本当に誇らしく幸せだと推察します。