「ちいさいおうち」子どもの頃その色使いに惹かれて何度も読んだ絵本。
その作者ヴァージニア・リー・バートンさんの展示を観てきました。

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1942年にアメリカで出版された『ちいさいおうち』は 1954 年に日本に紹介され、今も世界中で多くの子どもたちに読み継がれています。

小さな丘の上にその「ちいさいおうち」はありました。
そこは季節の移ろいがあり、自然豊かな場所でした。
毎日当たり前のように太陽が昇り鳥がさえずり、夜には月の満ち欠けや星のきらめきを眺めては遠くに瞬く都会の街明かりにその都会暮らしを想像していました。
ある日から都市開発の波が押し寄せて、周りがどんどん都市化していきます。
「ちいさいおうち」はとうとう高層ビルに挟まれて太陽の光も届かず、四六時中騒がしい都会の真ん中に取り残されてしまいます。
しかしそんな窮屈で暗く寂しい暮らしから解放され、再び美しい田舎暮らしをおくることができるようになるというお話。
毎日のささやかな幸せに改めて気付かされるようなメッセージが込めらた絵本です。

その「ちいさいおうち」の原画や再現模型も展示されていました。

絵本作家としてだけでなく、テキスタイルやグラフィックの世界でも活躍された彼女。
その版やファブリックが秀逸でした。
モチーフとなる絵柄や色が素敵で、デザインとそのファブリックで仕立てられた洋服を身にまとった女性達の当時の写真が興味深かったです。
この壁一面の布の見本帳パネルをずっと観ていたかったくらい。

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私がてづくり作家として活動を始めた頃、フィードサックに夢中でした。
たくさん買い集めました。
フィードサックとは19世紀(特に1930年〜1950年頃)にアメリカで小麦粉や砂糖、家畜の餌などを販売するための袋として使われていた布です。
不景気で苦しい生活の中、主婦達はフィードサックの縫い目を丁寧にほどき、愛する家族のために服を作ったり家中のありとあらゆる布製品を作りました。
小麦や砂糖を買うのは主婦達ということもあり、販売戦略として無地だった袋を花柄や可愛らしい動物柄などに変えたところセールスにつながったという。
カーテンやシャツやワンピースなど大きなものを縫いたい人は同じ柄のものをセーブしたくてまとめ買いしたり、また細かなはぎれは縫い合わせてパッチワークしたりしました。
この時代の柄や染色が独特の風合いを生み出していてとても魅力的なのです。
バートンさんのテキスタイルにも惹かれてしまうのは同じような時代であったことや当時の染めの技術や染料の色味などに重なるものがあるからかもしれません。

絵本の原画やスケッチの展示、デザイナーとしての作品の数々から愛溢れる優しいお人柄が見えてくるようでした。
絵本が自由に読めるコーナーもあります。
夏休みにぜひおでかけください。


ヴァージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』 - 時代を超えて生き続けるメッセージ -
会 期 : 2 0 1 7 年 6 月 1 日( 木 )~ 2 0 1 7 年 8 月 9 日( 水 )
会 場 :GALLERY A4(ギャラリーエークワッド) 〒136-0075 東京都江東区新砂 1-1-1
開館時間:10:00 -18:00(最終日は 17:00 まで)
休 館 日 :日曜・祝日
入 館 料 :無料

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エリック・カール展 2017.5月
アンデルセン展 2017.5月