Stroke数はスコアに入れないの規定について
2019年1月15日
1 旧ゴルフ規則は,ストローク数や罰打について,カウントすべきか否か,その処理を次のように規定しておりました。
⑴ *Stroke数と罰打の無視〈disregarded〉
① 処置について疑問があり2つの球をプレー(3-3b.注3:)
② 誤所からのプレーで第2の球をプレー(20-7c.注2:)
③ 暫定球を放棄した場合(27-2c.)
⑵ *Stroke数はスコアに入れない〈do not count〉
④ Teeing G.の外でプレー(11-4b.)
⑤ 誤球(15-3b.)
⑶ *罰の追加はない〈no additional〉
⑥18の末尾 規則18の違反の罰の,なお書
⑦20-7c.注3:
⑷ *Strokeの取消〈cancelled〉
⑧球の分割(5-3)
⑨旗竿の付添い(17-2末尾なお書)
⑩P.G.上での球の衝突(19-1b.)
ストローク数や罰打の処理は全く同じなのに,以上のとおり,10箇所にわたり,四つの文言を使い分けて規定していたのです。
新しいゴルフ規則は,前記①~⑩のすべてを次のとおり「カウントしない。」〈do not count〉と文言を統一しました。
番号 ゴルフ規則の番号 規則書の頁 備考
① 20.1c⑷ 188 カウントしない
② 14.7b⑶ 134 〃
③ 18.3c⑶ 176 〃
④ 6.1b⑵ 55 〃
⑤ 6.3c⑴ 61 〃
⑥ 9.4b末尾 1.3c⑷ 82と16 〃
⑦ 14.7b⑶ 134 〃
⑧ 4.2b 36 〃
⑨ 110 削除
⑩ 11.1b 95 カウントしない
2 Stroke and Distanceの規定の変更とdo not countに統一した二つの改正について
⑴ 球が紛失した場合。球がアウトオブバウンズとなった場合,暫定球をプレーする場合の処置は,ストロークと距離の罰に基づく処置と全く同じです。異なるのは,その処置を,プレーヤーの任意の選択か,プレーヤーの義務か,一定の要件がある場合プレーヤーが任意に選択できるかだけです。
ある事項について定められている規定を,それとは異なるが,本質的には類似する他の事項について,必要な変更を加えた上で働かせようとする場合には,条文の体裁,読む人の理解のし易さを考慮し,新しい規則のように準用するのが規則制定のイロハです。
今回の改正でやっと以上のような構成で規定されました。
旧ゴルフ規則は,規則27-1 a. b. c. 更に27-2.は,ストロークと距離の罰に基づく処置,球の紛失,アウトオブバウンズ,暫定球の項目に,同じような規定を羅列していたのです。
⑵ 更に,旧ゴルフ規則は,ストローク数や罰打について,カウントすべきか無視すべきか,それを処理する文言を,
* Stroke数と罰打の無視〈disregarded〉。
* Stroke数はスコアに入れない〈do not count〉
* 罰の追加はない〈no additional〉
* Strokeの取消〈cancelled〉
と使い分けていたのです。それを,新しい規則は上記のとおり,「カウントしない。〈do not count〉」とすべて統一しました。旧ゴルフ規則において,文言を使い分けたことは,多分同じ用語を連続して使うことを嫌う英語圏の文化に従ったものと思います。しかし,ゴルフ規則は世界中の文化圏のゴルファーが従わなければならない規則です。R&Aは世界中のゴルファーを混乱させていいたことにもっと早く気付くべきでした。
⑶ R&Aという組織は,ゴルフ規則の制定者という権利を振り回し,50年,いや100年近くも,世界中に数千万人いるゴルファーを翻弄し続けた,極めて悪質な小人達の集団であったことを,今回の規則改正により計らずも証明してします。
R&Aは,歴史的背景だの伝統だのとこじつけて,独自の観念でゴルフ規則を捏ねくりまわし,一般のゴルファーどころか,プロゴルファー,プロキャディー,レフリーにすら理解不能となるまで破綻させたのです。そして,R&Aとその委員の利権に汲々とし,このゴルフ規則を了解できない者は,R&Aに近寄るなとメッセージを出し続けていたのです。
R&Aだけでなく,世界各国のゴルフ団体もその体質は全く同じです。R&A版のゴルフ規則を翻訳するだけで,ほとんどゴルフ規則の内容に立ち入った提言・要求・抗議などをR&Aにしていなかったのです。この怠慢の責任は重大です。 以上